補助金の活用で得られるメリットは?中小企業向けをシーン別に10選で紹介!

活用する予定の補助金

企業成長や資金調達のために活用されることが多い「補助金」。
実際に補助金を活用してみたいけれど、どんなメリットが得られるのか、どのタイミングで活用すればいいかわからない方も多くみられます。
そこで今回は、補助金の活用で得られるメリットや中小企業向けの補助金をシーン別に10選で紹介します。

目次

1.そもそも補助金とは?

補助金の活用とは何かで悩んでいるイメージ

補助金を上手に活用するためには、補助金に関する正しい知識が必要です。
まずは、補助金の概要と助成金・交付金の違いについて解説します。

1-1.概要

補助金とは、国や地方自治体、財団法人が掲げる政策目標に取り組む企業を支援する制度のことです。
補助金を活用したい場合には、実施機関ごとの目的や趣旨を理解し、自社の行う取り組みとマッチしている補助金を探す必要があります。

金融機関からの融資などと異なり、補助金を活用すると返済する必要のない資金を得ることができますが、公募要領に基づいた審査が行われるため「申請したら必ず貰える」というわけではありません。
審査には、採択に有利となる加点項目が設けられており、加点を意識した事業計画の策定を行うことで補助金の採択率アップにつなげることができます。

1-2.助成金・交付金との違い

補助金と類似した支援制度に、助成金と交付金があります。
それぞれの支援制度によって実施機関や対象者などが異なります

支援制度名 主な実施機関 主な補助対象者 主な補助対象事業 主な支給対象
補助金 ・国

・地方自治体

・財団法人など

・個人事業主

・中小企業などの民間企業

・実施機関の政策目標に沿った事業 ・事業にかかわる経費の一部
助成金 ・国

・地方自治体

・財団法人など

・個人事業主

・中小企業などの民間企業

・働き方や雇用促進に関する事業 ・事業にかかわる経費の一部
交付金 ・国

・公共団体など

・地方自治体 ・街づくり

・地域活性

・地域貢献性の高い事業

・事業全体に交付

個人事業主や中小企業者が利用できる補助制度は「補助金」と「助成金」です。
どのような取り組みを行いたいかによって、どちらを利用するか決めるといいでしょう。

2.補助金の活用で得られる4つのメリット

補助金の活用で得られるメリット

補助金は、上手に活用することで4つのメリットを得ることができます。
企業成長のために効果的に補助金を活用したいなど、補助金に関するお悩みは「合同会社SCS」へご相談ください。

2-1.メリット①返済不要の資金を得ることができる

補助金を上手に活用すると、返済不要の資金を得ることができます
新しい事業を行う場合の自己資金投入を抑えることができるので、事業の財政的負担の軽減が可能です。
また、補助対象となる経費の範囲が広く設定されているため、事業に必要な経費であればほとんどのものが経費として計上できることも多くあります。

2-2.メリット②業務改善や生産性の向上を目指せる

補助金を活用することで、業務改善や生産性の向上を目指すことが可能です。
補助金申請に必要な「事業計画書」の作成を行う際、自社の状況を踏まえてどんな企業に成長をしたいかを明確することで、どのような業務改善が必要かを知ることができます。
自社の状況を見直し、業務改善や生産性の向上につなげることができれば、売上や利益の増大も期待できます。

2-3.メリット③設備投資などの必要性を見直すことができる

新しい事業を行うときや事業拡大に際して、新しい設備やシステムの導入をしなければならないケースも多くあります。
補助金の申請を行うときには自社の状況や生産性について改めて確認する必要があるため、本当に必要な設備投資、システム導入なのかを再確認することが可能です。

2-4.将来性のある事業として価値があがる

補助金は公的な財源から支給されるため、公募要領に基づく厳しい審査が行われます。
そのため、補助金に採択されたということは、実施機関の政策目標に沿った社会的ニーズの高い事業と認められた証明ともいえるでしょう。
国や地方自治体、財団法人から「将来性のある事業」と認められるということは、事業の価値や企業信頼度のアップが期待でき、社会的な信用を得ることにもつながります。

3.補助金・助成金の種類

補助金を活用する際に知っておきたい種類

補助金や助成金は実施機関ごとに3つの種類に分けることができます。
実施機関ごとに支援している内容が異なるので、自社の取り組みに合ったものを活用しましょう。
実施機関別の補助金の探し方については下記のページでも紹介しています。
【合同会社SCS│【事業主必見】自社に合う補助金・助成金の探し方をプロが教えます!

3-1.各省庁が行う補助金・助成金の種類

各省庁が行う補助金・助成金の支援内容や補助対象は、それぞれの省庁ごとに異なります
省庁ごとの主な補助対象事業は以下の通りです。

省庁名 主な補助対象事業
経済産業省 ・技術開発

・研究開発

・地域振興 など

厚生労働省 ・従業員の人件費

・能力開発

・労働環境の改善 など

総務省 ・情報通信、放送の研究開発 など
農林水産省 ・農林水産業

・食品産業振興 など

国土交通省 ・建設や建築

・物流

・観光振興 など

文部科学省 ・科学技術、学術

・スポーツ振興 など

公募開始や補助金・助成金の情報は、各省庁の公式サイトで確認することができます。
各省庁が行う補助金・助成金は、各年度同様の内容で公募を行っているものもあるため、活用を検討している方は、活用事例についてもチェックしてみましょう。

3-2.各自治体が行う補助金・助成金の種類

都道府県や市区町村などの各自治体でも補助金や助成金を実施しています。
各自治体が行うものの多くは、地域産業・地域観光の活性や観光資源の活用に関する取り組みを補助対象としており、規模によっては国と連携して実施されていることもあります。

公募開始などの補助金・助成金情報は、各都道府県または政令指定都市の中小企業センター公式サイトで確認することができます。
中小企業センターは、補助金・助成金情報を調べられるだけでなく、経営方針に悩んだ場合の相談場所として利用することも可能です。

3-3.財団法人などが行う補助金・助成金

財団法人も、目的ごとにさまざまな分野での基金が設立されています。
財団法人などが行う補助金や助成金の多くは、ボランティアや国際交流など社会貢献性の高い取り組みを支援しています。
国や各自治体が行う補助金・助成金とは申請から受給までの流れが異なるため、申請時には公募要領を確認し、不足や不備がないように申請しましょう。

4.【シーン別】中小企業が活用できる補助金・助成金│全10選!

補助金の活用を検討しているイメージ

自社の状況に合った補助金や助成金を選ぶことが、上手に活用するためのコツです。
ここからは、補助金や助成金を活用したいシーン別におすすめを紹介します。

4-1.起業時に役立つ補助金2選!

これから起業したいと考えている人に役立つ補助金2選です。
どんな事業を行って起業していくかのイメージを明確にして補助金を選びましょう。

4-1-1.地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)

中小機構と都道府県、金融機関などが行う中小企業支援の補助金です。
資金を拠出してファンドを造成し、運用益によって中小企業者などの支援を行っています。

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)は、創業したい人や販路拡大に取り組む企業を補助対象としており、採択されると資金助成を受けることができます。
補助金額や補助金額の上限は、各都道府県によって異なるため下記ページでご確認ください。
【中小機構│地域中小企業応援ファンド(スタートアップ型)

4-1-2.事業承継・引継ぎ補助金

先代から事業を引き継ぐ後継者が、業態転換や新分野への進出を行う時に利用できる補助金です。
事業承継による事業再編や事業統合を促進することで、日本国内の経済活性化を図ることを目的として実施されています。
事業承継・引継ぎ補助金については下記のページでも詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│【2023年改定】事業承継・引継ぎ補助金の変更点│申請の5ステップ・注意点も紹介
事業承継・引継ぎ補助金 公式サイト

4-2.販路拡大に役立つ補助金2選!

国内外への販路開拓を目指している人に役立つ補助金2選です。
国内向け、国内外向け、海外向けなど、どの方面に販路を拡大していくかによって補助金を選びましょう。

4-2-1.デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業費補助金

海外からの需要に対応できていない企業を支援するための補助金です。
すでに海外向けのECサイトを利用している企業のうち、販路開拓用の商品が存在している企業を補助対象者としています。
デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業費補助金は、海外市場でも通用する商品やブランド力を確立させたい企業におすすめの補助金です。
【中小企業庁│デジタルツール等を活用した海外需要拡大事業費補助金

4-2-2.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者や公募要件を満たす特定非営利活動法人を対象とした補助金です。
販路開拓などの取り組みを支援することで、地域の雇用や産業を支えている小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的に実施されています。

小規模事業者持続化補助金については下記のページでも詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│【2023年度版】小規模事業者持続化補助金の改訂内容から申請方法まで解説
【小規模事業者持続化補助金│商工会地区 公式サイト商工会議所地区 公式サイト

4-3.設備やシステムの導入に役立つ補助金3選!

新しい事業を行いたいときや事業再構築を行いたいときの設備やシステム導入に役立つ補助金3選です。
導入したい設備やシステムに合った補助金を選ぶのがおすすめです。

4-3-1.IT導入補助金

中小企業や個人事業主が、生産性の向上や業務効率化を目的にITツールを導入するときに利用できる補助金です。
IT導入補助金では、どのようなITツールを導入するかによって申請枠が異なります。
自社の抱える経営課題を解決できるITツールを選び、申請枠を決定しましょう。

IT導入補助金については下記のページでも詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│IT導入補助金とは?インボイス制度にも活用できる補助金を徹底解説!
IT導入補助金2023 公式サイト

4-3-2.ものづくり補助金

革新的なサービスの開発や生産プロセス改善のための設備投資に利用できる補助金です。
創業間もない会社や個人事業主を含めたすべての業種が補助対象のため、申請しやすいという特徴があります。
設備購入費だけでなく、専門家経費や運搬費など設備投資に必要となるさまざまな経費が補助対象経費となっています。

ものづくり補助金については下記のページでも詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│《2023年度》ものづくり補助金の拡充部分・採択率アップのコツを簡単解説!
【ものづくり補助事業│ものづくり補助金総合サイト

4-3-3.事業再構築補助金

事業再構築補助金は、業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む企業を支援する補助金です。
新分野展開や事業転換など、思い切った事業再構築をする企業を補助対象者としています。
公募開始時の社会情勢を加味した内容を取り入れており、さまざまな角度からの支援を行っています。

事業再構築補助金については下記のページでも詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│【事業再構築補助金】基礎から2023年度改定予定の内容までを解説!
事業再構築補助金 公式サイト

4-4.雇用環境整備に役立つ助成金3選!

従業員の雇用確保や労働環境の改善に役立つ助成金3選です。
労働環境や雇用環境を見直すことは、作業効率や生産性の向上にもつながります。

4-4-1.働き方改革推進支援助成金

生産性を向上させることで、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇促進に向けた雇用環境整備に取り組む企業を支援する補助金です。
支給対象となる事業者が、公募要領で定められている支給対象取り組みを行うことで助成金が支給されます。
【厚生労働省│働き方改革推進支援助成金

4-4-2.両立支援等助成金

仕事と家庭を両立できる職場環境作りのための取り組みを支援する補助金です。
どのような取り組みを行うかによって、申請コースや支給される助成金の額が異なります。
申請時の必要書類が郵送時と電子申請時で一部異なるため、利用時には公募要領をしっかりと確認しましょう。
【厚生労働省│両立支援等助成金

4-4-3.人材確保等支援助成金

魅力的な職場づくりのための労働環境向上などに取り組む事業主や事業協同組合を支援する補助金です。
雇用創出を図り、企業の人材確保や人材の定着を目的に実施されています。
人事評価制度を整備し、賃金アップを図りたい企業にもおすすめの補助金です。
【厚生労働省│人材確保等支援助成金

5.補助金を活用するなら活用事例もチェックしておこう!

補助金を活用する際のチェックポイントを知らせる人

自社の状況や行いたい事業と近い企業の事例を知ることで、補助金活用に対してよりリアルなイメージを掴むことが可能です。
ここからは、事業再構築補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金を活用した事例を紹介します。
そのほかの補助金活用事例は、補助金公式サイトまたはミラサポ+の「事例ナビ」で確認できます。
【ミラサポ+│事例ナビ

5-1.【事例①】事業再構築補助金を活用した事例

コロナ禍の影響で売上の下がった来店型飲食店の事例を紹介します。

・課題:コロナ禍の影響で売上が大幅に下がった
・実施内容:テイクアウト形式の小売業態へ業態転換
・補助金活用の効果効果:メニュー開発や作業効率化に取り組むことで、売上増加と地域活性化に貢献

事業再構築補助金の政策目的である「思い切った事業再構築を行う企業の支援」に合った取り組みを行うことで、補助金活用の効果を十分に得られた事例です。

5-2.【事例②】小規模事業者持続化補助金を活用した事例

自社のサービスを周知し、販路拡大に取り組む企業の事例を紹介します。

・課題:販路拡大のために、自社サービスの周知を行いたい
・実施内容:経営計画の策定で自社の強みを再確認し、品質・技術の高さを全面に出した周知活動へ取り組む
・補助金活用の効果:自社のサービスが唯一無二の強みであることの再確認ができたことで、意識の向上と売上増加につながった

小規模事業者持続化補助金では、経営計画策定時に主観的な目線では気が付くことができなかった強みに気が付くことができます。
「業務改善や生産性の向上を目指せる」という補助金活用のメリットを得られた事例です。

5-3.【事例③】IT導入補助金を活用した事例

業務の効率化を目指してITツールを導入した企業の事例を紹介します。

・課題:通常業務後に見積などの事務作業を行うため、慢性的な長時間作業となっていた
・実施内容:IT導入補助金を活用し、自社課題の再確認を行い、課題を解消できるITツールを導入
・補助金活用の効果:事務作業時間の短縮に成功、通常業務の効率化にもつなげることができた

自社の業務と相性のいいITツールを導入することで、業務全体の効率化を図ることができた事例です。
IT導入補助金では、幅広いITツールが経費対象となっているため、業務効率化や生産性の向上に効果のあるものを選ぶことができます。

6.補助金活用時に気をつけたいこと

補助金活用時の注意点を示す人

資金調達や企業成長に役立てることができる補助金ですが、活用時に気をつけたいポイントが4つあります。
補助金は正しい知識を持って活用することで、より効果的に利用可能です。

補助金に関する基本的な知識を学びたい方には、合同会社SCSが行う「補助金コンサルタント養成講座」がおすすめです。
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6-1.補助金は後払いであること

補助金は補助対象事業を実施し、実際にかかった経費をもとに支給額が決められるため、採択されてもすぐに資金を手にできるわけではありません
補助対象事業を実施するためには、申請した事業総額と同額の資金を自社で用意する必要があります。

自社で資金を用意することが難しい場合には、別の資金調達方法を併用するといいでしょう。
また、補助金の対象経費科目であっても、事業実施期間内でないと対象経費として扱えないので気をつけましょう。

6-2.期間内に申請する必要があること

補助金は公募期間が定められているため、期間内に申請しなければなりません。
しかし、電子申請の場合、申請に必要になる「GビズIDアカウント」の登録に時間がかかる点に注意が必要です。

GビズIDは補助金の電子申請だけでなく、社会保険や雇用保険の手続き、飲食店営業許可申請の手続きなどにも利用できるので、あらかじめ登録しておくといいでしょう。
郵送の場合には、いつの消印まで有効であるかを確認し、早めに投函できるように必要書類の準備を行いましょう。

6-3.補助金申請には審査があること

補助金は、国や地方自治体の公的資金を財源として行われているため、受給するためには厳しい審査を通過する必要があります
どのような審査が行われるかは、それぞれの補助金の公募要領に記載されているので、審査項目を押さえた事業計画の策定を行いましょう。

また、企業状況や行う取り組みに対して審査時に加点が行われる「加点項目」も審査項目同様、公募要領に記載されています。
少しでも補助金の採択率をあげたいと考えているのであれば、加点項目についてもチェックしましょう。

6-4.事務処理もしっかりとこなす必要があること

補助対象事業の実施後には、実績報告書や支払証憑類など必要書類の提出を行います。
必要書類の内容が適切でない場合や、補助事業実施目的以外の経費を計上していると補助金の支払いを拒否されることもあるので気をつけましょう。

補助金の実施規模や企業規模によっては、会計検査院の検査を受ける可能性もあるので、事務処理は正確に行い、費用支出管理を適切に行うことが大切です。

7.補助金活用は合同会社SCSにお任せください!

補助金の活用を考えているビジネスマン

補助金を上手に活用したいときには、プロの手を借りるのがおすすめです。
合同会社SCSでは、補助金のプロである補助金コンサルタントが、企業に合った補助金の提案から申請までの一貫したサポートを行っています。
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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に合同会社SCSを設立し独立。

経営者の潜在的な要望を引き出し、事業拡大を実現する「コンサルティング型」によって、1年間で100件以上の補助金申請をサポートし、1憶5千万円以上の採択を実現。

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