【申請を有利に!】審査時の加点項目を知ろう│IT導入補助金編

補助金は、事業面や政策面、計画目標値など公募要領に定められた項目によって審査が行われています。
申請時には「審査項目」を押さえることも大切ですが、採択率アップを目指すのであれば「加点項目」を意識することも重要です。
今回は「IT導入補助金」のそれぞれの申請枠(申請類型)で異なる加点項目についてわかりやすく解説します。

1.IT導入補助金の概要

IT導入補助金は、企業が生産性の向上や業務の効率化を目的にITツールを導入するときに活用できる補助金です。
どのような事業を行うかによって必要となるITツールが異なるため、申請類型が細かく設定されています。
【IT導入補助金│公式サイト

IT導入補助金については、こちらの記事でも詳しく解説しております。
【補助金活用支援合同会社│【2023年版】IT導入補助金とは?インボイス制度にも活用できる補助金を徹底解説!

2.IT導入補助金の必須要件

IT導入補助金では、以下3点が申請の必須要件として定められています。
1つでも要件を満たしていない場合には補助金の対象外となってしまうため、公募要領とあわせて確認しましょう。

GビズIDプライムアカウントの取得
IT導入補助金の申請方法は、GビズIDを利用した電子申請のみのため、電子申請が可能な「GビズIDプライムアカウント」を取得すること。
【GビズID│公式サイト
セキュリティアクション自己宣言の実施
情報セキュリティ対策への取り組みを自己宣言する「セキュリティアクション」にて、1つ星または2つ星の宣言を行うこと。
【セキュリティ対策自己宣言│公式サイト
GビズIDを利用した「みらデジ経営チェック」の実施
経営チェックを行い、取り組むべき経営課題を把握すること。
【みらデジ経営チェック│公式サイト

このほかの要件や詳しい情報については、公式サイトでご確認ください。
【IT導入補助金│公式サイト

3.IT導入補助金の加点項目

公募要領で定められた「加点項目」を満たした場合、採択審査の時に加点が行われます。
加点が行われることは、補助金の採択率アップへつながるため「加点項目」をしっかりと押さえた補助金申請がおすすめです。
IT導入補助金では、導入するITツールや行う取り組みによって申請枠(申請類型)が細かく分かれており、それぞれで異なる加点項目が決められています。
ここからは、申請枠(申請類型)ごとに加点項目を詳しく解説します。

3-1.通常枠(A・B類型)

通常枠(A・B類型)は、業務の効率化や売上のアップなど自社の課題に合ったITツールの導入を行う場合の申請枠です。
以下のような取り組みなどが加点の対象となります。

・地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を得ている
・交付申請時点で地域未来牽引企業に選定され、経済産業省に「地域未来牽引企業目標」を提出している
・導入するITツールとしてクラウド製品を選定している
・導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定している
・導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定している
・A類型の申請者のうち、公募要領に定めた要件を満たす事業計画を策定し、従業員に表明している
・B類型の申請者のうち、策定した事業計画期間において事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+50円以上」の水準とする

通常枠(A・B類型)に関する詳しい情報は、公募要領をご覧ください。
【IT導入補助金│通常枠(A・B類型) 公募要領

3-2.セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃事案などのサイバー空間で起こりうる潜在的リスクへの対応を行うための取り組みを行う事業者が対象の申請枠です。
こちらの枠型では、下記のような取り組みへ加点が行われています。

・地域未来投資推進法の地域経済牽引事業計画の承認を得ている
・交付申請時点で地域未来牽引企業に選定され、経済産業省へ地域未来牽引企業としての目標を提出している
・独立行政法人情報処理推進機構の実施する「セキュリティアクション」で2つ星の宣言を行っている
・公募要領に定められている要件をすべて満たす3年事業計画書を策定し、従業員へ表明している
・令和4年度に「健康経営優良法人2023」に認定されている
・「地域DX促進活動支援事業」において支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けている
・事業継続力強化計画または連携事業継続強化計画の認定を取得している
・介護保険法に基づくサービスを提供し、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している
・女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」または、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を受けている
・従業員100人以下で「女性の活躍推進企業データベース」または「両立支援のひろば」で「一般事業主行動計画を公表している

セキュリティ対策推進枠の加点項目についての詳しい情報は、公募要領をご覧ください。
【IT導入補助金│セキュリティ対策推進枠 公募要領

3-3.デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

労働生産性の向上を目的として、会計ソフトや受発注ソフトなどのITツールを導入する企業が対象の類型です。
主に下記のような取り組みを加点の対象としています。

・地域未来投資推進法のの地域経済牽引事業計画の承認を得ている
・交付申請時点での地域未来牽引企業に選定され、経済産業省への地域未来牽引企業としての目標を提出している
・公募要領に定められている要件をすべて満たす3年事業計画を策定し、従業員へ表明している
・導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定している
・令和4年度に「健康経営優良法人2023」に認定されている
・地域DX推進活動支援事業において、支援コミュニティ・コンソーシアムに「支援証明書」の作成、提出を以来すること
・介護保険法に基づくサービスを提供し、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している
・応募時点で、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」または、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を受けている
・従業員100人以下で、女性の活躍推進企業データベースまたは両立支援のひろばにて「一般事業主行動計画」を公表している

公募要領に定められている要件やそのほかの詳しい加点要件については、公募要領をご覧ください。
【IT導入補助金│デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) 公募要領

3-4.デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)

取引関係にある発注事業者がインボイス制度対応のITツールを導入し、受注者である中小企業または小規模事業者に無償で利用させる場合に申請できる類型です。
下記のような取り組みを行うと加点の対象となります。

・地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を得ている
・申請時点で地域未来牽引企業に選定され、地域未来牽引企業としての目標を経済産業省へ提出している
・公募要領で定めるすべての要件を満たす3年事業計画を策定し、従業員へ表明している
※公募要領「補助対象となる事業の中小企業・小規模事業者等とは」で定められる小規模事業者は対象外
・令和4年度健康経営優良法人に認定されている
・地域DX促進活動事業において支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けている
・介護保険法に基づくサービスを提供し、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している
※法人に限る
・女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」または、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん認定」を受けている
※従業員100人以下で女性の活躍推進企業データベースまたは両立支援のひろばへ一般事業主行動計画を公表している企業も対象

加点項目に関する詳しい情報は、公募要領「3-3.交付申請の審査│加点項目について」をご覧ください。
【IT導入補助金│デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) 公募要領

3-5.デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)

業務上でつながりのあるサプライチェーンや商業集積地に属する中小企業または小規模事業者などが生産性の向上を目的として、ITツールを連携して導入するときに利用できる類型です。
主に以下の取り組みを加点の対象としています。

・複数社、地域の生産性向上につながる新しい取り組み
・補助対象事業を通じて得られた知識やノウハウなどを地域で普及啓発し、地域の生産性向上につなげる取り組み
・補助対象事業を通じて得られたデータを可能な範囲でオープン化、地域課題の解決に繋げていく取り組み
・地域の自治体や金融機関、公共機関、ITベンダー、観光団体、医療、介護、福祉、教育、防災、防犯関係者などと連携を行い、地域課題の解決を目指す取り組み
・補助対象事業を実施する以前より、デジタル化の取り組みを行っており、既存の取り組みと補助対象事業をあわせて行うことで、事業の加速化を図る取り組み

デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は、複数企業が連携して申請を行う類型のため、公募要領で定められている必要書類などがほかの申請枠と大きく異なります。

詳しくは公募要領をご覧ください。
【IT導入補助金│デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) 公募要領

4.補助金の採択率を上げたい方はプロへの相談がおすすめ!

加点項目を意識することで、採択率アップへとつなげることができます
しかし、なかには自社の力だけでは難しい加点項目もあります。

どのように対応したら採択率の高い補助金申請ができるのかをお悩みの方は、プロへの相談がおすすめです。
補助金活用支援合同会社では、企業に合った補助金のご提案から申請までの一貫サポートを行っています。
企業成長の1つの手段として補助金活用をご検討中の方は、ぜひご相談ください。

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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に補助金活用支援合同会社を設立し独立。

経営者の潜在的な要望を引き出し、事業拡大を実現する「コンサルティング型」によって、1年間で100件以上の補助金申請をサポートし、1憶5千万円以上の採択を実現。

最適な補助金の提案から受給まで、完全サポートしている。