女性の活躍推進企業データベースとは、企業の行う女性活躍に関する取り組みの状況の公開・閲覧ができるデータベースのことです。
女性活躍推進法に基づき、女性の活躍状況に関する情報を一元的に集約しています。
事業を進めていくなかで女性活躍への理解はあるものの、「なぜ情報を公開しなければならないのか」「どんな情報を見ることが可能なのか」など、女性の活躍推進企業データベースの使い方を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、女性の活躍推進企業データベースの概要から、データの活用ポイントまでをわかりやすく解説します。
目次
1.女性の活躍推進企業データベースとは?
女性の活躍推進企業データベースとは、女性活躍推進法に基づき開設された「企業における女性の活躍状況を一元的に集約したデータベース」のことです。
令和4年4月1日に女性活躍推進法の改定が行われ、常時雇用する従業員の人数が101人以上300人以下の中小企業でも一般事業主行動計画の策定・届出が義務となりました。
そのため、企業における女性活躍の状況だけでなく「一般事業主行動計画の外部への周知」のための掲載先としても活用されています。
2.女性の活躍推進企業データベースに掲載できる情報は?
女性の活躍推進企業データベースでは、企業が行う「女性の活躍推進」に対する以下の13の取り組み状況を掲載できます。
・男女の平均継続勤務年数の差異 又は 男女別の採用10年前後の継続雇用割合
・男女別の育児休業取得率
・一月当たりの労働者の平均残業時間数
・年次有給休暇取得率
・係長級にあるものに占める女性労働者の割合
・管理職に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合
・男女別の職種 又は 雇用形態の転換実績
・男女別の再雇用 又は 中途採用の実績
・企業認定の有無
【引用│女性の活躍推進企業データベースリーフレット】
「雇用管理区分ごとに公開」「派遣労働者を含めた情報を公開」など公開方法が指定されているものもあるため、詳しくは公式サイトまたはリーフレットでご確認ください。
【女性の活躍推進企業データベース公式サイト】
【女性の活躍推進企業データベースリーフレット】
3.女性の活躍推進企業データベースを利用できる人は?
女性の活躍推進企業データベースは、企業と学生または求職者が利用可能です。
企業と学生または求職者が女性の活躍推進企業データベースを利用すると、下記のようなメリットを得ることができます。
・自社の女性活躍に関する取り組みを学生や一般の方へアピールできる
・業界内、地域内で自社がどの位置にいるかを確認できる
・他社の取り組み状況などを参考に、自社の取り組み改善へのヒントが得られる
・企業の取り組み状況を業種別、地域別、規模別に簡単に検索できる
・企業の女性活躍に対する姿勢や現状の取り組み状況を知ることができる
・就職活動のための企業研究に生かせる
女性の活躍推進企業データベースに取り組み内容を公表することは、どのような働き方ができる職場環境であるかを企業が明確にできるだけでなく、求職者にとっては希望に沿う就職先を探しやすくすることにつながります。
優秀な人材を確保したいと考える企業こそ、女性の活躍推進企業データベースの活用がおすすめです。
4.女性の活躍推進企業データベースのデータ活用時のポイント!
女性の活躍推進企業データベースでは、企業の女性活躍に関する取り組み状況を知ることができますが、ただ見ているだけで必要な情報を活用できるとは限りません。
そこでここからは、データをどう読み解くのか「データ活用時のポイント」を4つ紹介します。
4-1.データ活用時のポイント①企業の女性活躍推進に向けた姿勢を読み取る
企業の女性活躍推進に向けた姿勢を読み取るためには、現在の数値や目標だけでなく、数値改善に向けた取り組みの内容や今後の目標を見ることが大切です。
以下の項目を中心に見ていくことで、企業の姿勢をより明確に知ることができます。
・採用:採用に占める女性比率や従業員の女性割合が著しく低くなっていないか
・継続就業:平均勤続年数や10年目定着率の男女差が大きくなっていないか
・働き方改革:育児休暇や年次有給休暇がどの程度取得されているか
・登用:管理職に占める女性割合が業界平均値と比較して低くなっていないか
・多様なキャリアコース:男女の職種や雇用形態の転換実績がどのくらいあるか
・賃金差異:男女差ではなく能力差に応じた賃金差異となっているか
この情報は女性の活躍推進企業データベースの「その他関連(一般事業主行動計画など)」から見ることができます。
4-2.データ活用時のポイント②男女問わず能力に応じて力を発揮できる企業か読み取る
女性の活躍推進企業データベースでは、女性活躍に関する指標を見ることで「男女差なく能力を発揮できる企業か」を読み取ることが可能です。
・平均残業時間:長時間労働を是正するための取り組みが行われているか
・年次有給休暇取得率:仕事と生活のバランスをとることができるか
・登用:管理職や採用者の男女差に大きな違いがないか
・賃金差異:求人・採用、配置・昇進などの男女割合の差と賃金差異に違和感はないか
労働者数における女性の割合や、平均勤続年数などの項目とあわせて見ることで、企業の実像をより明確にイメージできるでしょう。
4-3.データ活用時のポイント③公表している項目数で企業の取り組みへの姿勢を知る
女性の活躍推進企業データベースでは、「2.女性の活躍推進企業データベースに掲載できる情報は?」で紹介した通り13の項目が掲載できるようになっています。
この項目をいくつ公表しているかによっても、企業の取り組みへの姿勢を読み取ることができます。
ただし、公表している項目数が少ないからといって取り組みに対する姿勢が不十分というわけではありません。
公表している項目数と一般事業主行動計画をあわせて確認することで、今後どのような目標を立てて取り組みを行っていくかを知ることが大切です。
4-4.データ活用時のポイント④認定制度の活用状況を見る
認定制度とは、取り組みが一定の基準を満たしている企業を「優良企業である」と国から認定されることで、さまざまな優遇措置を受けられる制度のことです。
女性の活躍推進企業データベースでは「認定企業等欄」で企業の認定制度の活用状況を見ることができます。
≪女性の活躍推進企業データベースで公表・確認できる認定一覧≫
認定制度名称 | 概要 |
えるぼし認定
プラチナえるぼし認定 |
厚生労働大臣から「女性活躍」を推進している優良企業に与えられる認定 |
くるみん認定
プラチナくるみん認定 トライくるみん認定 |
厚生労働大臣から「子育てサポート」を推進している優良企業に与えられる認定 |
均等・両立推進企業表彰 | 女性の能力発揮を促進または、仕事と育児・介護の両立のための取り組みを行う企業を表彰(2018年度終了) |
イクメン企業アワード | 男性の育児と仕事の両立を推進する企業を表彰(2020年度で終了) |
ユースエール認定 | 若者の採用や育成に積極的な優良企業に与えられる認定 |
なでしこ銘柄 | 女性活躍推進に優れた上場企業を選定 |
ダイバーシティ経営企業100選
100選プライム |
多様な人材を活用し、価値創造につなげる企業を表彰(2020年度終了) |
女性が輝く先進企業表彰 | 女性活躍の推進、環境整備において顕著な功績があった企業を表彰(2020年度終了) |
認定制度のなかでも、補助金や助成金の加点項目として取り扱われている「くるみん認定」「えるぼし認定」については、下記のページで詳しく紹介しています。
【合同会社SCS│えるぼし認定とは?女性の活躍を推進する制度について徹底解説!】
【合同会社SCS│くるみん認定とは?認定を受けることで得られるメリットや申請方法を解説!】
5.女性の活躍推進企業データベースを活用して企業価値の向上を図ろう!
女性の活躍推進企業データベースでは、企業が行う「女性活躍推進」に関する取り組み状況を公開・閲覧することが可能です。
女性活躍推進法に基づく取り組みを行い、女性の活躍推進企業データベースを活用して取り組み状況を公表していくことで、社外へのアピール・企業価値の向上を目指すことが可能です。
子育てサポート企業や女性活躍推進企業に対する「支援制度での優遇措置」も始まっているので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
また、補助金などの各種支援制度を上手に使いたい方は、データベースを活用した情報公開や認定制度の活用がおすすめです。
情報公開や認定制度は、補助金や助成金などの支援制度の加点項目として取り扱われています。
合同会社SCSでは、補助金や助成金などの各種支援制度について相談を受け付けていますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
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