認定特定創業支援等事業による支援とは?対象者やメリットについてわかりやすく解説

認定創業支援等事業計画|創業希望者または創業後5年未満の方必見!どんな制度なのか対象者やメリットについてわかりやすく解説します。

これから事業を始めようとされている方にとっての悩みは、資金や経営方針など、多岐にわたるのではないでしょうか。

そんな方々にぜひ利用して欲しいのが、地方自治体が行なっている「認定特定創業支援等事業による支援」という起業家に対する支援です。

認定特定創業支援等事業による支援は、国や金融機関からだけではなく、地方自治体からの融資や支援を受けることができる制度です。
この記事では、認定特定創業支援等事業による支援の対象者やメリットについてわかりやすく解説します。

1.認定創業支援等事業とは

認定特定創業支援等事業とは、「産業競争力強化法」に基づき、創業希望者と、創業して間もない人を支援するための国・自治体によるサポート事業のことです。
市区町村が、地域金融機関、NPO法人、商工会議所、商工会などの創業支援等事業者と連携して創業希望者に向けたいろいろな策を講じ、それを国が認定するシステムです。

地域の創業促進により、日本の産業競争力を高めることを目的としています。

国が創業促進に力を入れる理由は、創業希望者が起業しようとする際に下記のような悩みを抱えているケースが多いためです。

  • 資金不足
  • 経営資源の不足
  • 売上が不安定
  • 知識・ノウハウ不足

創業する際の資金調達の方法やノウハウを教えてくれる機関があることは、とても心強いのではないでしょうか。
中小企業庁によると、2022年12月の時点で、計画認定を受けている数は1,301件(1,459市区町村)、人口カバー率98%と高いシェアを誇っており、2014年度~2020年度のうちに約22万人の創業を実現させています。

自身が住んでいる市区町村では、どのような認定特定創業支援等事業による支援を行っているのかぜひチェックしてみてください。

参照:中小企業庁サイト|各市町村の経済産業局管轄分の一覧

1-1.市区町村が行う創業支援事業

市区町村が「創業希望者」または「創業後5年未満の事業主」に対して行う創業支援事業には、以下のような支援があります。

  • ワンストップ相談窓口の設置
  • マッチング支援
  • ビジネススキル研修
  • 専門家によるハンズオン支援
  • 創業セミナーの開催
  • 起業家教育事業などの創業支援
  • 創業機運醸成の実施

支援事業の内容は、自治体によってさまざまですが、個別面談や創業・経営セミナーなどは、ほぼどの自治体でも行われています。
上記の支援を受けた創業者は「特定創業支援を受けた創業者」として認定され、起業する際に優遇措置を受けられるなどのメリットがあります。

1-2.創業支援等事業者が行う創業支援事業

国や自治体がタッグを組んで日本産業の競争力を高めようした場合、自ら創業して新しい風を吹かせようとする人がいると効果的です。
そこで、創業に関心の無い人に対して創業に関する理解と関心を高める取り組みも行っています。

その取り組みが「創業機運醸成事業」という制度です。

起業について関心がなく、事業を営んでいない個人に対し、啓蒙活動・普及活動を行うことで、感心を持ってもらおうという目的のもと自治体が推進活動を努めている制度です。

主な取り組みとしては、次のような活動があります。

  • 教育現場等での起業家教育
  • 若年層向けのビジネスプランコンテストの開催
  • 短期間で創業を体験できるプログラムの実施

2.認定特定創業支援等事業による支援の対象者

認定特定創業支援等事業による支援の対象となる事業主は、「創業希望者」または「創業後5年未満の方」です。

3.認定特定創業支援等事業による支援の流れ

認定特定創業支援等事業による支援の制度利用における一般的な流れを紹介します。

  1. 受講を申し込む。
  2. 各自治体や認定民間機関等で「認定特定創業支援等事業による支援」を受ける。
  3. 創業に必要な知識・スキル(経営・財務・人材育成・販路開拓)を身に付ける。
  4. 身に付けた知識をもとに創業計画書を作成する。
  5. 自治体発行の証明書を受け取る。
  6. 各種優遇制度を利用する。

自治体によって異なる部分もあるため、制度を利用する際は各自治体のサイトを確認するようにしましょう。

4.認定創業支援を受ける3つのメリット

特定創業支援等事業として国が認定している創業支援を受け証明書を取得することで、創業時に以下のようなメリットを受けることができます。

4-1.補助金・助成金の優遇

認定創業支援を受けると得られるメリットの1つに、小規模事業者持続化補助金の補助上限額の引き上げがあります。
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者などが経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓を支援する補助金です。

起業する際、小規模事業者持続化補助金を申請し採択された場合、証明書を取得していると、補助上限額が50万から200万円へと引き上げられます。

ほかにも、東京都では以下のような支援を行っています。

創業助成金(東京都中小企業振興公社)

対象者

一定の要件を満たす都内で創業を予定されている方または創業して5年未満の中小企業者
※「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」など

対象経費

従業員人件費、賃借料、広告費など、創業初期に必要な経費の一部を補助

参照:創業助成金(東京都中小企業振興公社)|融資・助成制度|東京都創業NET公式サイト

東京都以外にも内閣府は地方創生を推進するため、地方で起業を検討している方に向けての地方公共団体の取り組み支援も実施しています。
どこで事業を始めようかと悩んでいる場合には、東京圏からUIJターンによる起業を検討してみるのも1つの方法です。

参照:起業支援金・移住支援金 – 地方創生

4-2.融資の各種優遇

起業を決断した際、事業者の悩みの1つとなることが多い資金調達ですが、認定創業支援を受けることで享受できる融資での優遇制度もいろいろと用意されています。

創業関連保証特例活用時の優遇制度

融資を受ける際、通常は創業2か月前からしか受けられない信用保証協会による保証が、事業開始後6か月前から利用の対象となります。

日本政策金融公庫「新創業融資制度」申込要件の緩和

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が、ほかの融資制度と併用することができる制度で、無担保・無保証人での利用が可能です。
支援を受けた創業者には、自己資金要件の撤廃など、申込時の要件が緩和されます。

日本政策金融公庫の「新規開業資金」における貸付利率の引き下げ

新規開業資金における貸付利率が引き下げられ、特別利率で融資を受けることができます。

4-3.会社設立時の登録免許税軽減

法人を設立する時には、以下の登録免許税がかかります。

  • 株式会社の場合:15万円
  • 合同会社の場合:6万円

しかし、特定創業支援等事業を利用することで登録免許税が半額になります。

  • 株式会社の場合:7万5千円
  • 合同会社の場合:3万円

5.認定特定創業支援等事業による支援を活用して上手に起業の準備を進めよう

これから事業を起こそうと思っている方を、国・自治体は積極的に支援する姿勢です。
地域の創業促進を図ることで、日本の産業競争力を高めたいと考えているからです。

そのために、市区町村と協力し、「創業希望者」または「創業後5年未満の事業主」に向けて、融資での優遇などさまざまなメリットのある制度を整えています。

補助金活用支援合同会社では創業を検討している方に向けて、認定創業支援等事業計画とはどのような制度なのか、わかりやすくお伝えします。
ご興味のある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
創業に向けての不安を一緒に取り除いていきましょう。

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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に補助金活用支援合同会社を設立し独立。