両立支援等助成金とは?概要から申請方法までを徹底解説!

両立支援等助成金とは

日本では、少子高齢化に伴う人材不足が深刻な問題となっており、優秀な人材の確保・定着のために、「多様な働き方ができる職場環境作り」が求められています。
しかし、誰もが働きやすい職場環境を作るためには、どのような取り組みを行えばよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省では、仕事と家庭、介護を両立できる職場環境作り支援の1つとして「両立支援等助成金」を実施しています
両立支援等助成金では、男性の育児休業取得の促進をはじめ、介護が必要な家族のいる労働者の時短勤務、育児休暇中の業務代替に関する取り組みなどを行う企業の支援をしています。

今回は、両立支援等助成金について、取り組みごとの支援コースや申請方法について徹底解説します。

1.両立支援等助成金の概要

両立支援等助成金とは、厚生労働省が行う「仕事と家庭、介護を両立できる職場環境づくり」を支援する支援制度のことです。

現在日本では、少子高齢化にともなう深刻な人材不足が問題となっています。
その原因の1つとして、「家庭・介護・育児などと仕事の両立が難しい」職場環境であることが挙げられます。

両立支援等助成金は、誰もが働きやすい職場環境作りを支援することで、優秀な人材の確保・定着、離職率の低下につなげ、雇用の安定を図ることが目的です。
また、令和6年1月からは「育休中等業務代替支援コース」が新設され、育児休業や育児のための短時間勤務を取得する人の業務を代替する体制整備に対する支援も始まりました。
【厚生労働省│事業主の方への給付金のご案内

2.両立支援等助成金の対象者と支援コース

両立支援等助成金では、一般的な支援制度同様に「対象者」と、企業が行う取り組みごとに異なる「支援コース」が定められています。

2-1.両立支援等助成金の対象者

両立支援等助成金では、一部の支援コースを除き「中小企業者」を対象者としています。
中小企業者の定義については、以下のとおりです。

業種名 資本金の額または出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下

または

50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

【引用│厚生労働省「令和5年度両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)」

業種ごとの区分や「常時雇用する労働者」の定義などの詳しい情報は、両立支援等助成金のパンフレットでご確認ください。
【厚生労働省│令和5年度両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)】

2-2.両立支援等助成金の支援コース

両立支援等助成金では、どのような取り組みを行うかによって対象となる「支援コース」が異なります。
両立支援等助成金を活用したいと考えている方は、自社には何が不足しているのかを明確に把握し、企業の抱える課題を解決できる申請コースの選択をしましょう。

2-2-1.出生時両立支援コース

出生時両立支援コースでは、男性労働者の育児休業取得を促進するための取り組みを行う中小企業者に対して助成金を給付しています。
男性労働者が育児休業を取得しやすい職場環境の整備や、これにともなう業務体制の見直しを支援するコースです。
仕事と家庭の両立支援に関する取り組みを促すことで、企業全体の雇用安定につなげることを目的としています。

2-2-2.介護離職防止支援コース

介護離職防止支援コースは、介護の必要な家族がいる労働者への支援を行うコースです。
介護プランを作成し、プランに基づく取り組みを実施し、仕事と介護の両立推進を行う事業主に対して助成金を支給しています。

2-2-3.育児休業等支援コース

育児休業等支援コースは、働きながら子どもを育てる労働者が継続して働くことができる環境作りを目的とした支援コースです。
育児休業の円滑な取得や職場復帰のための体制の見直しなど、子どもを育てる労働者が働きやすい環境作りを推進した事業主に助成金が給付されます。

2-2-4.不妊治療両立支援コース

不妊治療両立支援コースでは、不妊治療のための両立支援プランを作成し、プランに基づく取り組みを実施した事業主に助成金が給付されます。
不妊治療を行うために利用できる休暇制度や、両立支援制度の利用を促すことで、労働者が働きやすい環境を作ることを目的に行われています。

2-2-5.【新設】育休中等業務代替支援コース

育休中等業務代替支援コースは、令和6年1月から新設された支援コースです。
育児休業や育児時短勤務などの制度を利用している労働者の業務代替のために、労働環境や業務体制の整備を行う事業主に助成金が給付されます。
業務代替の体制を整備・強化することで、誰もが支援制度を利用しやすい環境を作り、労働者の雇用継続・離職防止につなげることを目的に実施されています。

3.両立支援等助成金の対象となる取り組み

両立支援等助成金では、支援コースごとに助成金の対象となる取り組みが異なります。
両立支援等助成金の対象となる取り組みを、加算要件とあわせて紹介します。

3-1.出生時両立支援コース

男性労働者が育児休業を取得しやすい環境を整えることで、仕事と家庭が両立できる職場づくりを支援するコースです。
公募要領にて定められている下記の取り組みを助成金の対象・加算要件としています。

出生時両立支援コースの対象となる取り組み

第1種

(男性労働者の育児休業取得)

①育児・介護休業法に定める環境整備措置の複数実施

②業務体制の見直しや新たな規定を策定・実施

③対象労働者が育児休業を連続5日以上取得する

④育児休業制度などを労働協約または就業規則に規定

⑤次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主計画の策定・届出

⑥取り組みの対象となる労働者を支給申請日までの間、雇用保険被保険者として継続雇用

第2種

(男性労働者の育児休業取得率の上昇)

①上記「第1種」で助成金を受給

②育児・介護休業法に定める環境整備措置の複数実施

③業務代替について規定の策定、業務体制整備の実施

④第1種の申請後、3事業年度以内の男性労働者の育児休業取得率を30%以上上昇

⑤第1種申請後、育児休業を取得した男性労働者が第1種申請対象者以外に2名以上

【加算要件】

育児休業等に関する情報公表加点

第1種の対象事業者が、育児休業の利用状況などの情報を公表する場合、第1種に加算して支給

【参考│「出生時両立支援コース」要領

取り組みの内容に関する詳しい情報は、公式サイトまたは公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金公式サイト
【厚生労働省│両立支援等助成金「出生時両立支援コース」要領

3-2.介護離職防止支援コース

介護を原因とした離職を防止するために、仕事と介護が両立できる雇用環境整備を支援するコースです。
支援の対象となる取り組みは下記のとおりです。

介護離職防止支援コースの対象となる取り組み

介護休業

(休業取得時・職場復帰時)

【休業取得時】

①介護プランを作成・実施し、合計14日以上の介護休業を取得させる

②対象者と1回以上の面談を行い介護プランを作成

③作成した介護プランに基づいた業務の整備や引継ぎの実施

【職場復帰時】

④対象介護休業取得者に対して面談を実施し、結果を記録

⑤面談結果を踏まえ職場復帰させる

⑥介護休業終了後、引き続き3か月以上雇用保険被保険者として雇用させ、支給申請日においても継続して雇用

介護両立支援制度 ①介護プランに基づいた介護両立支援制度を導入、公募要領で定める利用要件を満たす

②制度利用対象者と少なくとも1回以上の面談を行い介護プランを作成

③制度利用期間中の業務体制について取り組みを定める

④合計42日間の制度利用終了後も引き続き雇用保険被保険者として1か月以上雇用

新型コロナウイルス感染症特例 ①有給休暇について20日以上取得できる制度を設ける

②①の制度および①以外の就業と介護の両立に関する制度の労働者への周知

③対象となる労働者の合計5日以上の有給休暇取得

④対象となる労働者を休暇取得日から申請日まで雇用保険被保険者として継続して雇用

【加算要件】

業務代替支援加算

(新規雇用・手当支給)

【新規雇用】

①休業取得者の業務を代替する要員の新規雇用

②休業取得者と新規雇用者を同一事業所で勤務させる

③新規雇用者の所定労働時間を休業取得者の1/2以上にする など

【手当支給】

①公募要領に定める労働者に業務代替をさせる

②業務の見直し・効率化のために公募要領に定める制度を実施

③業務代替に関する賃金制度を労働協約または就業規則に規定 など

【加算要件】

(個別周知・環境整備加算)

①介護休業に関する制度や情報の周知を実施

②仕事と介護が両立しやすい雇用環境作りのために公募要領で定める措置を実施

【参考│「介護離職防止支援コース」要領

取り組みに関する詳しい内容や加算要件に必要な措置については、公式サイトまたは公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金公式サイト
【厚生労働省│両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」要領

3-3.育児休業等支援コース

育児休業の取得や職場復帰時の支援などの取り組みが助成金の対象となります。
加算要件を満たすことで、助成金の給付額が加算されます。

育児休業等支援コースの対象となる取り組み

育児休業取得時 ①育児休業の制度内容や手続きを労働協約または就業規則に規定

②円滑な育児休業・職場復帰を支援する方針を労働者へ周知

③対象労働者と1回以上の面談を行いプランを作成する

④プランに基づく業務の引継ぎを実施

⑤連続3か月以上の育児休業を対象労働者に取得させる

⑥対象労働者を雇用保険被保険者として雇用

職場復帰時 ①育児休業の制度内容や手続きを労働協約または就業規則に規定

②対象労働者へ育児休業中の業務情報・資料を提供

③育児休業終了前に対象労働者と面談

④対象労働者を申請日まで雇用保険被保険者として6か月以上雇用

職場復帰後支援 ①子の看護休暇制度の導入・利用

②保育サービス費用補助制度の導入・利用

新型コロナウイルス感染症特例 ①公募要領に定められる有給休暇制度を労働協約または就業規則に規定

②テレワーク制度や短時間勤務制度などの育児に関連する制度や措置の社内周知

③対象労働者に公募要領で定める期間の有給休暇を取得させる

【加算要件】

育児休業等に関する情報公表加点

①「両立支援のひろば」にて一般事業主行動計画の公表

②公表内容について支給申請日から決定日までの間、該当サイトで公表を行う

【参考│「育児休業等支援コース」要領

育児休業等支援コースの加算要件「育児休業等に関する情報公表加点」では、助成金の給付が決定した後も、申請をした事業年度終了までは情報公開を継続する必要があります。

このほかの取り組みに関する情報は、公式サイトまたは公募要領をご覧ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金公式サイト
【厚生労働省│両立支援等助成金「育児休業等支援コース」要領

3-4.不妊治療両立支援コース

不妊治療のための休暇制度の導入や制度を実施するための職場環境の整備を行った事業者に助成金が給付されます。
支援の対象となる取り組みは以下のとおりです。

不妊治療両立支援コースの対象となる取り組み

不妊治療両立支援コース ①不妊治療休暇や両立支援制度の利用促進方針を全労働者へ周知

②上記休暇や制度を労働協約または就業規則に規定

③不妊治療と仕事の両立に関する社内ニーズの調査

④不妊治療休暇・両立支援制度の担当者の選任を行い、労働者からの相談対応を実施

⑤対象労働者に不妊治療休暇・各種制度を合計5日以上利用させる

【加算要件】

長期休暇加算

対象労働者の所定労働日において20日以上の連続した長期休暇を取得させ、原職復帰後3か月以上継続勤務させた場合に加算

【参考│「不妊治療両立支援コース」要領

長期休暇加算では、原則「原職への復帰」が定められており、ほかの職務での復帰は認められていません。
ただし、異なる職務へ復帰する理由などがプランの面談記録などで確認できる場合には、助成金の対象として扱われることがあります。

詳しくは公式サイトまたは公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金公式サイト
【厚生労働省│両立支援等助成金「不妊治療両立支援コース」要領

3-5.育休中等業務代替支援コース

育児休業の取得者や短時間労働制度を利用する者の業務を代替することになる周囲の労働者へ手当の支給などを行う事業主へ助成金を給付する支援コースです。
一般事業主行動計画の公表を行うことで、助成金が加算されます。

育休中等業務代替支援コース

手当支給等

(育児休業)

①育児休業取得者に対する取り扱いを労働協約または就業規則に規定

②育児休業取得者の業務をほかの労働者へ代替させる

③業務の見直し・効率化のために、公募要領に定める措置を実施

④代替業務に関する賃金制度の規定・周知

⑤育児休業取得者を雇用保険被保険者として雇用

⑥育児休業取得者を支給申請日までの間、雇用保険被保険者として3か月以上継続して雇用

手当支給等

(短時間勤務)

①公募要領に定める短時間勤務制度を希望した者に1か月以上制度を利用させる

②制度利用者の業務をほかの労働者へ代替させる

③業務効率化のために、公募要領に定める措置を実施

④代替業務に関する賃金制度の規定・周知

⑤代替者賃金について総額3,000円以上増額

⑥制度利用者を雇用保険被保険者として雇用

新規雇用

(育児休業)

①育児休業取得者に対する取り扱いを労働協約または就業規則に規定

②代替要員として公募要領に定める項目に全て該当する者を確保

③雇用する労働者に対して公募要領に定める措置を実施

④育児休業取得者を雇用保険被保険者として雇用

⑤育児休業取得者を支給申請日までの間、雇用保険被保険者として3か月以上雇用

【加算要件】

育児休業等に関する情報公表加点

①「両立支援のひろば」にて一般事業主行動計画の公表

②支給決定日までの間、該当サイトにて公表を継続する

【参考│「育休中等業務代替支援コース」要領

一般事業主行動計画の公開は、支給が決定した後も継続する必要があります。
支給が決定する前に事業年度が切り替わった場合には、公表内容を最新の情報に差し替えて更新することは可能です。

育休中等業務代替支援コースに関する詳しい情報は、公式サイトまたは公募要領でご確認いただけます。
【厚生労働省│両立支援等助成金公式サイト
【厚生労働省│両立支援等助成金「育休中等業務代替支援コース」要領

4.両立支援等助成金の申請から受給までの流れ

ここからは、両立支援等助成金の申請から受給までの流れをそれぞれのコースごとにわかりやすく解説します。
次回以降の申請を検討している方や補助金や助成金に興味のある方は、合同会社SCSへお気軽にお問い合わせください。
【合同会社SCS│お問い合わせ専用フォーム

4-1.出生時両立支援コース

出生時両立支援コースでは、第1種と第2種で必要書類や申請の期限が異なります
それぞれの必要書類、申請から受給までのおおまかな流れを解説します。

4-1-1.第1種

男性労働者の育児休業が取得しやすい環境作りを支援する第1種では、申請期間が「育児休業の終了日の翌日から起算して2か月以内」と定められています。
申請のおおまかな流れは下記のとおりです。

1.育児休業を取得しやすい環境作りのための措置を実施する
2.育児休業中の業務体制の見直しや整備を行う
3.対象となる男性労働者が「子の出生8週間以内」に育児休業を取得
4.育児休業終了後、期限内に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ支給申請

第1種での申請には、両立支援等助成金の共通書類以外に「対象となる男性労働者の育児休業申出書」や「子の出生日がわかる書類」などが必要になります。

詳しくは下記のページでご確認ください。
【厚生労働省│令和5年度両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)

4-1-2.第2種

出生時両立支援コースの第2種は、第1種で受給した事業主のうち、男性労働者の育児休業取得率が上昇した事業主が対象となります。
第2種の申請期間は「申請にかかわる事業年度の翌事業年度の開始日から起算して6か月以内」です。

申請から受給までのおおまかな流れは以下のとおりです。

1.出生時両立支援コース「第1種」で助成金を受給する
2.男性労働者の育児休業取得率が上昇するための取り組みを行う
3.育児休業取得率の上昇を確認したのち、期限内に都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ支給申請

第2種の申請には、男性労働者の育児休業取得率が上昇したことが確認できる書類として「配偶者が出産した男性労働者の氏名と子の出生日などの書類」が必要となります。

詳しくは厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き」をご覧ください。
【厚生労働省│令和5年度両立支援等助成金支給申請の手引き(パンフレット)

4-2.介護離職防止支援コース

介護離職防止支援コースではまず、介護を理由とした退職を減らすために、就業規則や労働協約の明文化、全労働者への周知を行います。

企業として取り組む休業制度や、両立支援制度の利用について盛り込んだ就業規則の策定が欠かせません。
周知後は、制度の利用を希望する労働者と複数回の面談を行い、どのように支援していくかを決める「介護支援プランの作成」を行います。

介護支援プラン作成後の流れは支援コースごとに異なるので、ここからは支援コースごとに流れを解説します。

4-2-1.介護休業

介護離職防止支援コースで「介護休業」に関する取り組みを行い、申請をする場合には、「介護休業取得」「職場復帰時」で申請のタイミングが異なるので注意が必要です。

申請から受給までのおおまかな流れは下記のようになります。

1.介護支援プランに基づいた業務の整理、引継ぎを行う
2.対象となる労働者に介護休業を取得させる
3.介護休業が合計5日以上になった後、都道府県労働局へ「介護休業取得時」の支給申請を行う
4.対象となる労働者が職場復帰をする
5.対象となる労働者の職場復帰後、継続して3か月以上雇用する
6.都道府県労働局へ「職場復帰時」の支給申請を行う

「介護休業時」「職場復帰時」では、それぞれ申請の可能期限、提出に必要な書類が異なるので、申請時には公募要領をしっかりとご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」要領

4-2-2.介護両立支援制度

介護離職防止支援コースで「介護両立支援制度」に関する取り組みを行う場合の申請から受給までのおおまかな流れは以下のとおりです。

1.介護支援プランに基づく業務体制の見直し・検討を行う
2.対象となる労働者に、公募要領に定められている「介護両立支援制度」を利用させる
3.制度利用後、対象労働者を1か月以上継続雇用する
4.支給申請を行う

両立支援制度を利用した申請の期間は「制度利用実績が合計20日を経過する日の翌日から起算して1か月が経過する日の翌日から2か月以内」です。

申請を行うタイミング(日付)の例は、公募要領で詳しく紹介されているので、必要書類とあわせて確認をしましょう。
【厚生労働省│両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」要領

4-2-3.新型コロナウイルス感染症特例

新型コロナウイルス感染症特例では、申請期限が「特別有給休暇の合計取得日数が5日もしくは10日を経過する日の翌日から2か月以内」となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、介護で仕事を休まなければならない労働者がいた場合に支給申請が可能です。
また、新型コロナウイルス感染症特例のみ1年度の支給限度が5人までと定められています。

対象となる休暇期間についても定められているので、詳しくは公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」要領

4-3.育児休業等支援コース

育児休業等支援コースの申請から受給までのおおまかな流れは下記のとおりです。

1.育児休業復帰支援プランによる支援の規定・周知
2.育児休業等支援コースの利用を希望する対象者との面談、プランの作成
3.プランに基づく業務の整理や引継ぎを行う
4.対象労働者へ育児休業を取得させる(産後休暇を含む3か月以上)
5.都道府県労働局へ「育児休業取得時」の支給申請を行う
6.対象労働者を職場復帰を支援する
7.職場復帰後、対象労働者を6か月継続雇用する
8.都道府県労働局へ「職場復帰時」の支給申請を行う

申請期限は、育児休業取得時「育児休業開始日から、3か月後から2か月以内」、職場復帰時は「職場復帰の6か月後から2か月以内」です。

「育児休業に関する情報公開」を行い、助成金の加算を目指す方は、別途申請書類が必要となりますので、公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金「育児休業等支援コース」要領

4-4.不妊治療両立支援コース

不妊治療両立支援コースでは、下記のような流れで申請を行います。

1.不妊治療に利用できる休暇制度や両立支援制度を全労働者へ周知し、利用の促進を行う
2.どのような支援が求められているか社内ニーズを調査する
3.利用開始の前日までに、社内ニーズを盛り込んだ制度利用の手続き方法などを就業規則に規定
4.新たな就業規則を全従業員へ周知する
5.不妊治療両立支援コースの担当者(両立支援担当者)を選任する
6.選任者より対象労働者との面談、支援プランの策定を行う
7.プランに基づき、環境整備や休暇の取得を実施する
8.「環境整備や休暇の取得」に関する支給申請を都道府県労働局へ届出
9.長期休暇の加算の申請要件に該当する場合は、都道府県労働局へ「長期休暇加算」の支給申請を行う

環境整備や休暇の取得は、休暇や制度の利用期間が合計5日になった翌日から2か月以内に支給申請を行います。

長期休暇加算とは支給申請のタイミングがズレることがあるので、支給申請のタイミングを公募要領で確認しましょう。
【厚生労働省│両立支援等助成金「不妊治療両立支援コース」要領

4-5.育休中等業務代替支援コース

育休中等業務代替支援コースの申請から受給までの流れはおおまかに以下のとおりです。

1.業務の効率化への取り組み方法の検討、代替者に対する賃金増額制度の整備
2.育休後の職場復帰時の取り扱い方針を就業規則などに規定する
3.代替者への面談や新規雇用、派遣による代替要員確保を行う
4.代替者に対する賃金の増額を行う
5.育休中等業務代替支援コースの対象者へ制度を利用させる
6.育休中等業務代替支援コースの対象者が職場復帰する
7.都道府県労働局へ支給申請を届出

育休中等業務代替支援コースでは、取得した育児休業期間によって申請期限が異なります

詳しくは公募要領でご確認ください。
【厚生労働省│両立支援等助成金「育休中等業務代替支援コース」要領

また、このコースではプラチナくるみん認定業者に対する加算が行われています。
プラチナくるみん認定については下記の記事でも紹介しています。
【合同会社SCS│くるみん認定とは?認定を受けることで得られるメリットや申請方法を解説!

5.両立支援等助成金は仕事と家庭を両立できる魅力的な職場づくりを支援する制度!

両立支援等助成金は、育児や介護、不妊治療などと仕事を両立できる魅力的な職場づくりを支援するために行われている支援制度です。
誰もが働きやすい環境を整えることで、優秀な人材の定着にもつなげることができます。
少子高齢化による人材の不足が問題となってきている今こそ「両立支援等助成金」の活用を検討してはいかがでしょうか。

合同会社SCSでは、企業を支える補助金や助成金についての相談を受け付けております。
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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に合同会社SCSを設立し独立。

経営者の潜在的な要望を引き出し、事業拡大を実現する「コンサルティング型」によって、1年間で100件以上の補助金申請をサポートし、1憶5千万円以上の採択を実現。

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