【2024年度最新版】おすすめの補助金4選をプロが解説!│中小企業向け

2024年度おすすめの補助金

近年、日本では働き方改革の推進やインボイス制度の導入など社会経済の変化に対応する中小企業を支援するために、さまざまな「補助金」が実施されています。
補助金は、実施機関や政策目的によって数多くの種類があり、どの補助金が自社に合うのかよくわからないという人も少なくありません。

そこで今回は、中小企業向けにおすすの補助金を4つ、プロ目線で解説します。

1.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、経済社会の変化や制度変更などに対応するために、小規模事業者が取り組む販路開拓などを支援する補助金です。
小規模事業者を支援することで、地域の産業や雇用の活性化や持続的な発展を目的に実施されています。

小規模事業者持続化補助金の申請類型
類型名 概要
通常枠 商工会議所または商工会からの支援を受けながら、経営計画に基づいた取り組みを行う事業者を支援
賃金引上げ枠 最低賃金の引き上げが行われるなか、更なる賃上げを行う事業者を支援
卒業枠 事業規模拡大に意欲的な小規模事業者を支援
後継者支援枠 事業承継を行う予定があり、要件を満たす後継者候補がいる事業者を支援
創業枠 創業した事業者を重点的に支援
災害支援枠 令和6年能登半島地震の被災地域に所在する事業者を支援

【参考│小規模事業者持続化補助金公式サイト│「商工会議所地区」「商工会地区」】

令和6年10月25日をもって最終審査業務は終了し、予算編成次第で再開または公募終了となります。
最新情報は公式サイトでご確認ください。
【小規模事業者持続化補助金公式サイト│「商工会議所地区」「商工会地区」】

1-1.補助対象事業者

以下の要件を満たす「小規模事業者」が補助対象事業者です。

<小規模事業者持続化補助金の対象者要件>
・資本金または出資金が5億円以上の法人に100%の株式を保有されていない
・確定している直近過去3年分の「各年」または「各事業年度」の課税所得の年平均が15億を超えていない
・「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を補助金の申請までに受理されている
・小規模事業者持続化補助金「通常枠」において「卒業枠」で採択を受けて補助事業を実施した事業者ではない
【参考│小規模事業者持続化補助金│公募要領

小規模事業者持続化補助金では「通常枠」を除くすべての枠で、申請のための追加要件が定められています。
それぞれの追加要件や参考資料は、公式サイトにて公開されているのでそちらをご確認ください。
【小規模事業者持続化補助金公式サイト│「商工会議所地区」「商工会地区」】

1-2.補助対象経費

小規模事業者持続化補助金では、補助事業の実施に必要な以下の経費を補助対象経費としています。
該当しない経費は原則対象外です。

<小規模事業者持続化補助金の補助対象経費>
・機械装置等費
・広報費
・ウェブサイト関連費
・展示会等出展費
・旅費
・開発費
・資料購入費
・雑役務費
・借料
・設備処分費
・委託・外注費

対象経費であっても用途や購入経路によっては、補助対象外として扱われてしまうことがあります。
詳しくは公募要領に記載がありますので、ご確認ください。

1-3.補助率・補助上限額

小規模事業者持続化補助金では、申請枠ごとに補助率・補助上限が異なります。

小規模事業者持続化補助金の補助率・補助上限額
類型名 補助率 補助上限額
通常枠 2/3 50万円
賃金引上げ枠 2/3

※赤字企業3/4

200万円
卒業枠 2/3 200万円
後継者支援枠 2/3 200万円
創業枠 2/3 200万円
災害支援枠 2/3以内 ・直接的な被害があった事業者

200万円

・間接的な被害があった事業者100万円

また、インボイス特例を満たしている事業者は、上記の補助上限額に50万円が上乗せされます。

<用語解説>
インボイス特例:2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であったまたは免税事業者であることが見込まれる事業者のうちインボイス制度の登録を受けた事業者に対して補助上限を上乗せする特例制度

インボイス特例を満たすための要件については公募要領でご確認ください。

2.IT導入補助金

IT導入補助金は、企業が抱えるさまざまな経営課題の解決のためのITツール導入を支援する補助金です。
どのような経営課題の解決を目指すかによって導入するITツールが異なるため、複数の申請枠が用意されています。

IT導入補助金の申請類型
類型名 概要
通常枠 ITツールを導入し、業務効率化や売上アップを目指す申請枠
インボイス枠

(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応したソフトやハードウェアを導入することで労働生産性の向上を図る申請枠
インボイス枠

(電子取引類型)

インボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援
セキュリティ対策推進枠 サイバー攻撃などの潜在的なリスクを低減させる取り組みを支援
複数社連携IT導入枠 サプライチェーンや商業集積地の事業主が連携してITツールを導入する取り組みを支援

【参照│IT導入補助金2024公式サイト

IT導入補助金では、企業のIT化に関する悩みを解決するためのサポートも行われているので、どのような取り組みならば課題解決につなげることができるかを知ることも可能です。

1-1.補助対象事業者

「令和5年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金交付規程」に定められている中小企業または小規模事業者が補助対象事業者です。
主な申請要件は以下の通りです。

<IT導入補助金の主な補助対象要件>
・交付申請時点で日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む中小企業または小規模事業者
・申請の直近月の事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上
・GビズIDのプライムアカウントを取得している
・セキュリティアクション宣言の一つ星または二つ星の宣言を実施
【参考│IT導入補助金2024公式サイト「公募要領」

このほかにも、類型ごとに追加の申請要件が定められています。
詳しくはIT導入補助金2024公式サイトでご確認ください。

1-2.補助対象経費

IT導入補助金では、企業が行う取り組みごとに導入するITツールが異なるため、申請枠ごとに補助対象経費が定められています。
以下の表は、申請枠ごとの主な対象経費の一覧です。

IT導入補助金の補助対象経費
類型名 経費名
通常枠 ・ソフトウェア購入費

・クラウド利用料(最大2年分)

・機能拡張オプション

・データ連携ツール

・セキュリティ対策オプション

・役務費

・導入や設定にかかる経費

・保守サポート

インボイス枠

(インボイス対応類型)

・インボイス制度に対応するソフトウェア購入費

・ソフトウェアの使用に必要なハードウェア購入費

・機能拡張オプション

・データ連携ツール

・セキュリティ対策オプション

・役務費

・導入や設定にかかる経費

・保守サポート

インボイス枠

(電子取引類型)

・インボイス制度に対応した受発注ソフトのクラウド利用料(最大2年分)
セキュリティ対策推進枠 ・ITツール導入の費用およびサービス(最大2年分)
複数社連携IT導入枠 ・ソフトウェアやハードウェアの購入にかかる基盤導入経費

・消費動向等分析経費

・参画事業者のとりまとめにかかる事務費

・専門家費

【参考│IT導入補助金2024公式サイト

補助対象経費は「補助事業の実施に不可欠である」ことが重要となります。
補助事業以外でも利用できるものや、補助事業実施期間外に購入したものについては「補助対象外」として扱われてしまうことがあるので、十分に注意しましょう。

1-3.補助率・補助上限額

IT導入補助金は、類型ごとに補助率・補助上限額が異なります。

IT導入補助金の補助率・補助上限額
類型名 補助率 補助上限額
通常枠 1/2以内 ・1プロセス以上

5万円以上150万円未満

・4プロセス以上

150万円以上450万円以下

インボイス枠

(インボイス対応類型)

3/4以内(中小企業)

4/5以内(小規模事業者)

50万円以下
2/3以内 50万円超~350万円以下
インボイス枠

(電子取引類型)

2/3以内

(中小企業・小規模事業者)

(下限なし)~350万円以下
1/2以内

(その他の事業者等)

セキュリティ対策推進枠 1/2以内 5万円以上100万円以下

【参考│IT導入補助金2024公式サイト「補助対象について」

なお、複数社連携IT導入枠では、補助上限額がグループを構成する構成員の人数によって異なります。
詳しくは公式サイトより「補助対象について」をご確認ください。

3.中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業を支援する補助金です。
ロボットやloTなどの省力化製品を導入することで、即効性のある省力化投資を促進し、企業の付加価値額の増加や賃上げにつなげることを目的として実施されています。

中小企業省力化投資補助金については、下記の記事でも詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
【合同会社SCS│【中小企業省力化投資補助金】人手不足解消の手助けとなる制度を徹底解説!

3-1.補助対象事業者

中小企業省力化投資補助金の補助対象事業者は、中小企業者(組合関連以外)・中小企業者(組合関連)です。
中小企業者の定義は「中小企業基本法第2条」に規定されています。

<中小企業基本法 第2条>
“一 資本の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの”
【引用│中小企業基本法

また、以下の要件を満たす「中小企業等」に含まれる「中小企業者」以外の法人も補助対象事業者として定められています。

<「中小企業等」に含まれる「中小企業者」以外の法人の要件>
・中小企業一般の振興、発展に直結する活動を行っている
・従業員数が300人以下である
・法人税法上の収益事業を行う非特定営利活動法人である
・認定特定非営利活動法人ではない
・交付決定までに補助金にかかわる経営力向上計画の認定を受けている②以下の要件すべてを満たす社会福祉法人
・「社会福祉法」第32条に規定する所轄庁の許可を受けて設立されている法人である
・従業員数が300人以下である
・収益事業範囲内で補助事業を行う
【参考│中小企業省力化投資補助金「公募要領」】

いずれの対象事業者も、補助金の申請を行うために「必須要件」を満たす必要があります。
必須要件に関する詳しい内容は公募要領でご確認ください。

3-2.補助対象経費

中小企業省力化投資補助金では、人手不足を解消するために活用できる「汎用製品」のうち、以下のいずれかに該当するものが補助対象経費として扱われます。

・省力化製品を購入する際にかかる「製品本体価格
・省力化製品の設置や運搬、動作確認などにかかる「導入設定費

製品本体価格は、中小企業省力化投資補助金カタログに事前登録されている価格を上限として申請することが可能です。
製品のリースやレンタル、中古品などは補助対象外となるので注意しましょう。

3-3.補助率・補助上限額

中小企業省力化投資補助金の補助率・補助上限額は以下の通りです。

中小企業省力化投資補助金の補助率・補助上限額
従業員数 補助率 補助上限額
5人以下 1/2以下 200万円(300万円)
6~20人以下 500万円以下(750万円)
21人以上 1,000万円以下(1,500万円)

公募要領に定める「賃上げ要件」を達成した場合には、補助上限額が()の数字へ引き上げられます。

4.中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金は、持続的な賃上げを目的に「人手不足解消」「労働生産性の向上」など事業規模の拡大を図るための設備投資を支援する補助金です。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の申請類型
類型名 申請要件
一般枠 ・投資額10億円以上

・賃上げ要件を達成する

特別枠 ・一般枠の要件を満たす

・指定された期日までに補助事業完了が見込まれる

【参考│中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金「公募要領」

向上や倉庫などの拠点の新設・増築、最先端機器や省力化促進設備の購入などに活用できます。

4-1.補助対象事業者

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金では、以下の要件を満たす「中堅」または「中小企業」を補助対象事業者として定めています。

<補助対象事業者の要件>
・日本国内に本社および補助事業の実施場所を持っている
・常時雇用する従業員人数が2,000人以下の会社または個人

会社または個人以外の法人であっても、政策目的にあった収益事業に関する補助事業を実施する場合には補助対象事業者として扱われることがあります。
ただし、企業規模が「みなし大企業」であると判断された場合には、補助対象事業者として認められません。
【中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金│みなし大企業の定義

4-2.補助対象経費

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金では「事業拡大につながる事業資産への投資」となるものを補助対象経費として扱っています。

主な補助対象経費は以下のとおりです。

<主な補助対象経費>
・建物費
・機械装置費
・ソフトウェア費
・外注費
・専門家費

建物や機械装置などについて、ほかの補助金や税制制度と併用した申請を行った場合、補助金の対象外として扱われることがあります。
詳しくは公募要領をご確認ください。

4-3.補助率・補助上限額

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の補助率・補助上限額は、「一般枠」「特別枠」共通で以下の通りです。

・補助率:1/3以内
・補助上限額:50億円

ただし、申請要件の1つに定められる「賃上げ要件」を満たすことができなかった場合、補助金返還の対象となることがあります。
公募要領に定められている「守らなければならないルール」をしっかりと確認のうえ、補助金の申請を行いましょう。

5.全国の自治体が実施しているおすすめの補助金

中小企業向けの補助金は、日本全国で数多く実施されています。
そのなかでも、全国の自治体が独自で実施しているおすすめの補助金を紹介します。

全国の自治体が実施しているおすすめの補助金
補助金名 概要
【北海道】

令和6年度インバウンド受入環境整備事業者支援補助金

市内を訪れる外国人観光客などの利便性を向上させるために、多言語看板の設置や自動翻訳機の導入を支援
【東京都足立区】

技術支援補助金

大学などの持つ知的資源を活用した技術課題の解決や技術力向上に取り組む中小企業を支援
【静岡県三島市】

経営革新事業補助金

中小企業の取り組む「経営革新計画」の実現を支援
【大阪府大阪市】

5G導入トライアル補助金

第5世代移動通信システムを活用した製品やサービスの施行的導入を支援
【福岡県大牟田市】

グリーン成長補助金

大牟田市内の中小企業の脱炭素化と持続的な成長を促進し、競争力強化を支援

合同会社SCSでは、国や行政が行う補助金だけでなく、自治体が実施する補助金に関する相談も受け付けています。
企業本社所在地で行われている補助金について興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

6.補助金に関するお悩みは合同会社SCSへご相談ください!

補助金は「実施目的」や「政策方針」などにより、活用できる場面が異なります。
そのため、どの補助金が自社の抱える課題解決に合っているか、どう活用したらより効果的であるかなど、補助金に関するお悩みを持っている方も多くいるのが現状です。

合同会社SCSでは、御社に最適な補助金の選定から申請、事業化状況報告の提出まで一貫してサポートいたします。
補助金・助成金などの支援制度について興味のある方は、ぜひ一度合同会社SCSへお声がけください。

補助金・助成金などのご相談はこちらからどうぞ!
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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に合同会社SCSを設立し独立。

経営者の潜在的な要望を引き出し、事業拡大を実現する「コンサルティング型」によって、1年間で100件以上の補助金申請をサポートし、1憶5千万円以上の採択を実現。

最適な補助金の提案から受給まで、完全サポートしている。