【中小企業省力化投資補助金】人手不足解消の手助けとなる制度を徹底解説!

中小企業省力化投資補助金とは

日本では、少子高齢化に伴う「人手不足」が深刻な問題となっています。
そんな企業の人手不足を解消するべく、令和5年度補正予算から「中小企業省力化投資補助金」がスタートしました。

中小企業省力化投資補助金は、IoTの活用やロボットの導入など「省力化」に取り組むことで人手不足を解消し、企業の付加価値額や生産性の向上を目指す補助金です。
今回は、中小企業省力化投資補助金について制度の内容から、申請方法までを徹底解説します。

1.中小企業省力化投資補助金の概要

中小企業省力化投資補助金は、IoTの活用やロボットの導入など、人手不足の解消に効果がある製品の導入を支援し、即効性のある省力投資を促進する補助金です。

深刻な人手不足に悩む中小企業などに対して、省力化投資を支援することで、付加価値額や生産性の向上を図り、賃上げにつなげることを目的に実施されています。

中小企業省力化投資補助金 公式サイト

2.中小企業省力化投資補助金の対象者

中小企業省力化投資補助金の対象者となる、「中小企業者」について詳しく解説します。

2-1.中小企業者(組合関連以外)

中小企業者(組合関連以外)とは、中小企業基本法第2条に規定されている企業または個人のことをいいます。

<中小企業基本法 第2条>
“一 資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの”
【引用│中小企業庁「中小企業基本法」】

「資本金」または「従業員の人数(常勤)」が下表の数字より少ない場合に、補助金の対象者となります。

業種 資本金 従業員数(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業 3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他業種(上記以外) 3億円 300人

なお、「ゴム製品製造業」では、一部補助金の対象外となる業種がありますので、詳しくは公募要領の「2-3.補助対象事業者」をご確認ください。

【中小企業省力化投資補助金│公募要領

2-2.中小企業者(組合・法人関連)

中小企業者(組合・法人関連)とは、中小企業等経営強化法第2条に定められている組合または法人のことです。

<中小企業等経営強化法>第2条
“六 企業組合
七 協業組合
八 事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律によ り設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの”
【引用│中小企業等経営強化法

中小企業省力化投資補助金では、下記に該当する組合または法人を補助金の対象者としています。

・企業組合
・協同組合
・事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
・商工組合、商工組合連合会
・商店街振興組合、商店街振興組合連合会
・水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会
・生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
・酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
・内航海運組合、内航海運組合連合会
・技術研究組合

上記に該当しない組合や法人、法人人格のない任意団体は補助金の対象外です。
また、組合や法人の種類によっては、組合の構成員人数や出資総額などが細かく定められていることがあります。

詳しくは公募要領をご確認ください。

【中小企業省力化投資補助金│公募要領

2-3.「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人

中小企業省力化投資補助金では、「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外でも、下記のいずれかに該当すれば対象者となります。

①以下の要件をすべて満たす特定非営利活動法人(NPO法人)
・中小企業一般の振興、発展に直結する活動を行っている
・従業員数が300人以下である
・法人税法上の収益事業を行う非特定営利活動法人である
・認定特定非営利活動法人ではない
・交付決定までに補助金にかかわる経営力向上計画の認定を受けている②以下の要件すべてを満たす社会福祉法人
・「社会福祉法」第32条に規定する所轄庁の許可を受けて設立されている法人である
・従業員数が300人以下である
・収益事業範囲内で補助事業を行う

公募要領では「みなし法人」や「みなし大企業」の扱いについても細かく定められてます。
詳しくは、公募要領を確認しましょう。

【中小企業省力化投資補助金│公募要領

3.中小企業省力化投資補助金の対象経費

中小企業省力化投資補助金の補助率・補助上限額は下表のとおりです。

従業員数 補助率 補助上限
5人以下 1/2以下 200万円

(300万円)

6~20人以下 500万円以下

(750万円)

21人以上 1,000万円以下

(1,500万円)

※賃上げ目標を達成した場合()の数字へ引き上げ

省力化製品の設備投資のうち、以下のいずれかに該当するものを補助対象経費としています。

・省力化製品を購入する際の「製品本体価格」
・省力化製品の設置や運搬、動作確認などの「導入設定費用

製品本体価格は、「製品カタログ」に事前登録されている価格を上限に申請することができます。
なお、リース・レンタル製品や中古品、交付決定前に購入した製品については補助金の対象外となるため注意が必要です。
詳しくは公募要領でご確認ください。

【中小企業省力化投資補助金│公募要領

4.中小企業省力化投資補助金の申請から受給までの流れ

中小企業省力化投資補助金の申請は、申請受付システムを利用した「オンライン申請」のみです。
GビズIDプライムアカウントが必要となりますので、アカウントがない場合は、事前に登録しましょう。
GビズIDについては、下記の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

【合同会社SCS│【より便利に】gBizIDがリニューアル!基本~新しくなった内容を紹介

GビズIDプライムアカウント取得後の申請の流れは下記のとおりです。

1.省力化製品・販売事業者を製品カタログから選択
2.販売事業者を共同で事業計画を策定
3.申請受付システムから交付申請
4.「採択・交付決定」の通知
5.事業計画に基づく補助事業の実施
6.補助事業の実績報告の提出
7.補助額の確定
8.補助金の請求・支給

補助事業期間の終了後、毎年度4月から6月まで「効果報告」を提出しなければなりません。
効果報告期間は5年間で、期間内に報告が提出されない場合、交付決定が取り消されることがあります。
詳しくは公募要領をご確認ください。

【中小企業省力化投資補助金│公募要領

5.中小企業省力化投資補助金で「人材不足を解消し生産性の向上」を目指そう!

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩んでいる企業の「売り上げ拡大」や「生産性の向上」を後押しするために実施されている支援制度です。
上手に活用することで、人手不足の解消や賃上げなどの効果が期待できます。
ロボット技術やAIの活用に関する認知度も高まってきている近年では、社会の変化に対応できる企業になりたいと考える方にもおすすめの補助金です。

中小企業省力化投資補助金をはじめとした補助金の活用、申請を検討している方は、合同会社SCSへお気軽にお問い合わせください。

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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に合同会社SCSを設立し独立。

経営者の潜在的な要望を引き出し、事業拡大を実現する「コンサルティング型」によって、1年間で100件以上の補助金申請をサポートし、1憶5千万円以上の採択を実現。

最適な補助金の提案から受給まで、完全サポートしている。