近年、さまざまな行政サービスや補助金制度において、電子申請が一般的になってきています。
一部の行政サービスでは電子申請の義務化が進んでいるなど、利用者からの需要も高いことがうかがえます。
電子申請をする際に必要なgBizIDは2023年8月にリニューアルし、アカウントのオンライン申請や二要素認証でのログインが可能となりました。
今回は、リニューアルしたgBizIDの内容をご紹介します。
目次
1.gBizIDがより便利に!2つのリニューアル内容とは
補助金制度や社会保険手続きなどの電子申請で必要になる「gBizID」が、2023年8月にリニューアルしました。
今回リニューアルされた2つの内容を、詳しくご紹介します。
1-1.個人事業主はgBizIDプライムのオンライン申請が可能に
これまで、個人事業主がgBizIDプライムの申請をする場合は、書類を送付しなければなりませんでした。
今回のリニューアルにより、個人事業主はマイナンバーカードを所有していればオンライン申請が可能になり、書類送付の必要がなくなりました。
個人事業主のオンライン申請に必要なものは以下のとおりです。
- マイナンバーカード(通知カードは不可)
- パソコンなどの申請用に使う端末
- gBizIDプライムアカウント用メールアドレス
- gBizIDアプリをインストールしたスマートフォン(SMSが受信できるもの)
なお、マイナンバーカード発行時に設定した、署名用電子証明書暗証番号(英数字6〜16桁)と、券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)も必要となるため、事前に確認しておくとスムーズです。
必要なものが揃ったら申請をはじめましょう。
まずは、公式サイトの「オンライン申請」ページで必要事項を入力し、QRコードを取得します。
インストールしたアプリを起動し、WEB上で取得したQRコードと、マイナンバーカードを読み取り署名用電子証明書暗証番号と券面事項入力補助用暗証番号を入力しましょう。
ここで再びWEBサイトを確認し、これまでの入力内容と署名内容をチェックします。
SMSでの本人確認と、gBizIDアカウントのパスワード設定をしたら、申請は完了です。
オンライン申請については、以下のURLから公式サイトのマニュアルをご覧いただけます。
GビズID クイックマニュアル gBizIDプライム オンライン申請編(個人事業主用) ver1.0 2023年
1-2.アプリを利用した認証がさらにわかりやすくログイン可能に
gBizIDマイページや、gBizIDと連携した行政システムにログインする際、アプリを活用した二要素認証が可能となりました。
二要素認証はセキュリティを強化できるメリットがあります。
従来のワンタイムパスワード認証と比べると、アプリを活用するほうが簡単にログインできるため、gBizIDの利用にはアプリの導入がおすすめです。
すでにアプリをダウンロード済みの方は、アップデートをして活用しましょう。
サポート環境は、以下のとおりです。
- iPhoneの方は、iOS 16 以上
- Androidの方は、Android OS 6 以上
アプリで二要素認証を行う場合、まずは以下の初期設定をしましょう。
- アプリを起動して設定をタップ
- 画面の表示に従って、アカウントID(メールアドレス)とパスワードを入力
- ログイン後、SMSで受信したワンタイムパスワードを入力
- OKボタンをタップし、二要素認証の初期設定が完了
gBizIDと連携した行政システムにログインする時は、IDとパスワードの入力後、スマートフォンに表示される通知をタップしましょう。
生体認証で確認する場合は、スマートフォンの生体認証に従って実行します。
生体認証での確認をしない場合は、表示される内容に従って認証を続けてください。
認証が完了すれば、ログインは完了です。
ワンタイムパスワードを使用するよりもスマートにログインできるため、アプリを導入することをおすすめします。
2.gBizIDとは?
gBizIDとは、デジタル庁が運営する共通認証システムで、法人ならびに個人事業主向けに提供されています。
gBizIDとパスワードを使って、複数の行政サービスのログインが簡単にできることがメリットの1つです。
gBizIDアカウントを取得すれば、有効期限・年度更新の必要なく利用できます。
2-1.gBizIDのアカウントは3種類
gBizIDには、3種類のアカウントがあります。
gBizIDプライム | 本人確認が必要な、法人代表者や個人事業主用のアカウント |
gBizIDメンバー | gBizIDプライムのアカウントを持つ法人・個人事業者に所属する従業員用のアカウント |
gBizIDエントリー | 公式サイトで即日発行できるアカウント |
行政サービスによって必要なアカウントが異なり、申請条件もそれぞれ違います。
詳しくは、以下のURLから公式サイトをご確認ください。
3種類のアカウントの詳細はこちら:GビズID
各行政サービスに必要なアカウントの確認はこちら:行政サービス一覧
2-2.gBizIDの申請方法
gBizIDの申請は、各アカウントの種類によって異なります。
gBizIDプライムはアプリを使って簡単にオンライン申請が可能となりました。
各アカウントの申請方法は、以下のURLから公式サイトをご確認ください。
GビズIDクイックマニュアルgBizIDプライム編(書類郵送申請)
GビズIDクイックマニュアルgBizIDメンバー編
GビズIDクイックマニュアルgBizIDエントリー編
3.gBizIDでできること
さまざまな行政サービスへのログインをはじめとして、gBizIDを使うとオンライン上で以下のような手続きが可能です。
- 補助金の申請手続き
- 社会保険や雇用保険の手続き
- 飲食店の営業許可申請の手続き
3-1.補助金の申請手続き
IT導入補助金をはじめとする補助金の申請では、gBizIDを活用した手続きが可能です。
WEB上で手続きを進められとても便利なため、補助金の利用を考えているならgBizIDの利用を検討してみましょう。
以下のURLから公式サイトで補助金の検索が可能です。
行政サービス一覧
3-2.社会保険や雇用保険の手続き
健康保険・厚生年金保険・労働保険・雇用保険などの、社会保険に関するさまざまな手続きもgBizIDを活用した電子申請が可能です。
日本年金機構のホームページでは、届書の作成プログラムを提供し、利用方法などについても紹介しているので、参考にしてください。
電子申請・電子媒体申請(事業主・社会保険事務担当の方)|日本年金機構
3-3.飲食店の営業許可申請の手続き
飲食店を開業する際に必ず必要になる「営業許可申請」は、今まで管轄の保健所へ出向いて手続きをする必要がありましたが、gBizIDアカウントでの電子申請手続きも可能となっています。
gBizIDを使って食品衛生申請等システムにログインすれば、営業許可申請だけでなく営業の届出などの申請もオンラインで行えます。
3-4.経営力向上計画や事業継続力強化計画の認定手続き
経営力向上計画・事業継続力強化計画は、税制や金融における支援を受けられる制度です。
各認定手続きは基本的に電子申請で行うため、gBizIDのアカウント取得が必要です。
4.gBizIDのアカウントが利用できる行政サービス
さまざまな行政サービスに幅広く活用されているgBizIDは、電子申請だけでなく情報収集も可能です。
代表的な行政サービスとして、以下のようなシステムが挙げられます。
- jGrants(経済産業省・補助金申請システム)
- e-Gov(電子政府の総合窓口)
- 社会保険手続きの電子申請(日本年金機構)
- DX推進ポータル(経済産業省 独立行政法人情報処理推進機構)
- 保安ネット(経済産業省)
参照:行政サービス一覧
電子請求はますます広がると見込まれているため、gBizIDが活用できる対象もこれからさらに増えていくでしょう。
5.gBizIDプライムとは?補助金申請で必須な場合もある
gBizIDプライムは、3種類あるアカウントのうちの1つで、以下のような特徴があります。
- 会社代表者もしくは個人事業主のみ取得できる
- アカウント取得には本人確認が必要
- 二要素認証で安全なログインができる
- プライムでないと利用できない行政サービスが多数ある
本人確認が必要なアカウントだからこそ、補助金の種類によってはプライムでないと手続きできない場合があります。
5-1.gBizIDプライムが必要となる4つの補助金制度
以下4つの補助金制度では、電子申請手続きにgBizIDプライムが必要です。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
申請したい補助金で必要となるアカウントの種類は、補助金によって異なります。
公式サイトの「行政サービス一覧」で事前に確認し、必要なアカウントを準備しましょう。
5-2.gBizIDプライムで申請できる電子申請
gBizIDプライムは本人確認や二要素認証に対応しているため、公式サイトで確認できるすべての電子申請に対応しています。
gBizIDプライムで申請できる電子申請の一例は、以下のとおりです。
- jGrants(経済産業省・補助金申請システム)
- IT導入補助金(経済産業省・中小企業庁・中小機構)
- 社会保険手続きの電子申請(日本年金機構)
- e-Gov(総務省)
- 農林水産省共通申請サービス(農林水産省)
- 保安ネット(経済産業省)
- 食品衛生申請等システム(厚生労働省)
6.gBizIDのアプリを活用して補助金の電子申請をしよう
リニューアルによってより便利になったgBizIDを活用すると、さまざまな手続きをより便利に進められます。
すでにアカウントを取得している方も、便利な二要素認証を活用できるため、アプリのダウンロードをおすすめします。
gBizIDのアカウント申請や、gBizIDを利用した補助金申請について、疑問や悩みがある方は補助金活用支援合同会社にぜひご相談ください。
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