事業再構築補助金を活用してみたい、補助金で業務拡大を図りたい、と思ったことはありませんか?
活用を検討はするものの、難しい要件や申請内容がよくわからず、結局諦めてしまっていた方も多いのではないでしょうか。
名前は聞いたことがあっても、自分の会社は申請できるのか、申請要件に当てはまるのかなど、さまざまな疑問があるかもしれません。
ウィズコロナ時代に突入し、事業転換や業態変換を求められている企業も多数存在します。
そんな企業を支援するのが事業再構築補助金です。
この記事では、事業再構築補助金について、わかりやすく解説します。
申請方法についても紹介するので、ぜひお役立てください。
目次
1.事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金とは、ウィズコロナとなった経済社会に対応するため、これまでの事業とは違う新たな分野にチャレンジする中小企業を支援する補助金です。
第6回公募からは、最大20社まで他社との連携による申請が可能となりました。
公募期間
第6回の公募スケジュールは、以下の通りです。
公募開始:令和4年3月28日(月)
申請受付:令和4年5月下旬~6月上旬予定
応募締切:令和4年6月30日(木)18:00
1-1.事業再構築補助金の申請要件
事業再構築補助金の主な申請要件は、下記の通りです。
②事業再構築要件:事業再構築に取り組むこと
③認定支援機関要件:事業再構築指針に沿った事業計画書を認定経営革新等支援機関と策定すること
上記3つの要件をすべて満たさなければ、事業再構築補助金には申請できません。
それぞれの要件について、詳しく見てみましょう。
1-1-1.①売上高等減少要件
売上高10%減少要件の緩和により、「コロナ以前と比較して、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が10%以上減少していること」という要件を満たせば申請可能になりました。
コロナ以前との比較なので、「コロナ禍で売上が減少したが現在は回復している」事業者でも申請が可能です。
対象となるかの確認は、補助金活用支援合同会社へご相談ください。
また、合計売上高の代わりに、合計付加価値額を比較対象とすることもできます。
付加価値額とは、企業の人件費や営業利益、減価償却費を足したものです。
参照:令和二年度第三次補正・令和三年度補正 事業再構築補助金 公募要領(第6回)
1-1-2.②事業再構築要件
事業再構築要件は、事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと。
新分野展開や業態転換については、経済産業省が発表している「事業再構築指針の手引き」をご参照ください。
参照:事業再構築指針の手引き(2.0版)
1-1-3.③認定支援機関要件
認定支援機関要件では、下記2つの要件が定義されています。
・事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する。補助金額が3,000万円を超える案件は 金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グリーン成長枠は5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり 付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定する。
認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する知識や実務経験を持ち、国の認定を受けた機関のことです。
認定経営革新等支援機関の検索はこちらから。
1-2.事業再構築補助金の申請での注意点
事業再構築補助金では、同一法人・事業者での応募は1回の公募につき1申請に限定されています。
第1回公募から第5回公募で不採択となった事業者は、事業計画の見直しを行ったうえで、第6回公募への申請が可能です。
ただし、一度交付決定を受けた事業者は、原則として再度申請することはできません。
2.事業再構築補助金における5つの事業類型
事業再構築補助金には5つの事業類型があります。
枠によって、補助金の対象となる取り組みや補助率、補助上限額も異なります。
それぞれの特徴を押さえて、自社にとって適切な型を選びましょう。
2-1.通常枠
通常枠では、新しい分野への事業展開や業態転換など、新たな挑戦を通じて事業規模の拡大を目指す取り組みを支援します。
通常枠は、事業再構築補助金の主な申請要件を満たしていれば申請可能です。
補助上限額は、従業員数により異なります。
下限額は、一律100万円です。
補助金額
【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 6,000 万円
【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 8,000 万円補助率
中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は 1/2(※))
中堅企業等 1/2 (4,000 万円超は 1/3(※))
(※)補助金額によって補助率が異なりますのでご注意ください。
※中小企業者:中小企業基本法と同様範囲内の企業
※中堅企業:中小企業の範囲に入らず、資本金10億円未満の会社のこと
2-2.大規模賃金引上枠
大規模賃金引上枠では、継続的な賃金引上げ、または従業員増加による生産性向上を図る中小企業などの事業再構築を支援。
多くの従業員を雇用していることが条件であるため、補助額も最大1億円と、通常枠より高い設定です。
大規模賃金引上枠の対象となるには、通常枠の申請要件に加え、以下の要件を満たす必要があります。
① 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
② 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること。
補助金額や補助率は、下記の通りです。
補助金額
【従業員数 101 人以上】8,000 万円超 ~ 1 億円補助率
中小企業者等 2/3(6,000 万円超は 1/2)
中堅企業等 1/2(4,000 万円超は 1/3)
引用元:令和二年度第三次補正・令和三年度補正 事業再構築補助金 公募要領(第6回)
大規模賃金引上枠で不採択の場合は、通常枠で再審査されます。
再審査の際、事業者での手続きは不要です。
2-3.回復・再生応援枠
回復・再生応援枠は、第6回公募から新設されました。
これに伴い、緊急事態宣言特別枠は廃止。
コロナの影響で、引き続き業況が厳しい事業者の回復・再生を支援します。
事業再生に取り組む事業者も補助対象です。
通常枠では2/3となっている補助率を、回復・再生応援枠では3/4に引き上げ。
主要な設備の変更は求めないといった緩和策が取られ、手厚い支援となっています。
回復・再生応援枠では、通常枠の申請要件に加え、以下のいずれかを満たす必要があります。
① 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること
② 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け再生計画等を策定していること
補助金額や補助率は、下記の通りです。
補助金額
【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数 6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円補助率
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
回復・再生応援枠で不採択の場合は、通常枠で再審査されます。
再審査の際、事業者での手続きは不要です。
2-4.最低賃金枠
最低賃金枠は、最低賃金引き上げの影響を受けて業況が悪化し、その原資の確保が困難となっている事業者の事業再構築を支援。
補助率も3/4に引き上げられています。
また、加点措置が取られ「回復・再生応援枠」に比べて採択率において優遇されるのが特徴です。
最低賃金枠は、通常枠の申請要件に加え、以下の要件を満たす必要があります。
① 2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
② 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること
※売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能です。
補助金額や補助率は、下記の通りです。
補助金額
【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数 6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円補助率
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
他の枠と同様、最低賃金枠で不採択となってしまった場合でも、通常枠で再審査されます。
再審査の際、事業者での手続きは不要です。
2-5.グリーン成長枠
グリーン成長枠は、第6回公募から新設されました。
これに伴い、卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止。
グリーン成長枠では、研究開発・技術開発または人材育成を行いながら、脱炭素、SDGsなどをキーワードとした「グリーン成長戦略の14分野」の課題解決のための取り組みを行う事業者を支援します。
補助上限額も最大1.5億円と、大型の補助金です。
グリーン成長枠の対象となる事業者は、下記のように定義されています。
①事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること
(補助額3,000万円超は金融機関も必須)
②補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること
(※通常はそれぞれ年率平均3.0%以上増加)
③グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に該当する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成(※)をあわせて行うこと
(※)従業員の10%以上が年間20時間以上の外部研修又は専門家を招いたOJT研修を受けることが必要となります。
※グリーン成長戦略14分野の詳しい説明はこちらをご覧ください。
事業再構築補助金では、基本的に支援を受けることができる回数は1事業者につき1回のみです。
しかし、グリーン成長枠は、過去に採択された事業者でも申請可能で、採択された場合には支援を受けることができます。
グリーン成長枠では通常の要件に加えて、下記2つの要件を満たすことで申請可能となります。
2.能力評価要件(既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること)を満たしていること
また、グリーン成長枠では、売上高10%減少という要件が課されません。
そのため、売上が伸び業績が好調という企業でも申請できる点が特徴です。
ただし、補助率については通常枠の方が高く設定されており、状況によっては通常枠で申請したほうが良い場合もあります。
どちらの枠で申請したほうがよいか迷ったときは、補助金活用支援合同会社へご相談ください。
補助金額や補助率は、下記の通りです。
補助金額
中小企業等 100 万円 ~ 1 億円
中堅企業等 100 万円 ~ 1.5 億円補助率
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
この枠に関しても、不採択となってしまった場合、通常枠で再審査されます。
再審査を希望される場合でも、事業者での手続きは不要です。
3.事業再構築補助金の対象者
事業再構築補助金の補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者、一般社団法人および資本金10億円未満の中堅企業などです。
対象となる業種は、下記の通り。
- 製造業
- 建設業
- 運輸業
- 卸売業
- サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
- 小売業
- ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
- ソフトウェア業または情報処理サービス業
- 旅館業
- その他上記以外の業種
ただし、資本金や従業員数に規定があるので、申請前に公募要領を必ずご確認ください。
大企業とみなされた場合や法人格のない任意団体、収益事業を行っていない法人、運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象外となります。
また、政治団体や宗教法人などの団体も補助対象外です。
4.事業再構築補助金の対象経費
事業再構築補助金の補助対象となる経費は、次の2項目に当てはまるものに限ります。
- 事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資であること
- 本事業の対象として明確に区分できるもの
対象経費として計上できるのは、必要性および金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できるもの。
具体的には、以下の区分で定める経費です。
- 建物費(建物の建築・改修・撤去、賃貸物件などの原状回復など)
- 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリースなど)
- 技術導入費
- 専門家経費(※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外)
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費(製品開発に要する加工、設計など)
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展など)
- 研修費(教育訓練費、講座受講など)
※上限額=補助対象経費総額(税抜き)の1/3
建物費に「建物の新築」は含まれていないため、新築にて補助金の交付を受けるには必要性が認められなければいけません。
申請の際には、「新築の必要性に関する説明書」の提出が求められます。
採択された場合でも、この説明書の内容に基づき、補助対象経費として認められない場合もあるため注意が必要です。
また、下記のような経費は、補助対象外となります。
- 人件費
- 購入費(パソコン、スマートフォン、車両、家具などの購入にかかった費用)
- 光熱費
- 原材料費
など
5.事業再構築補助金の交付までの流れ
事業再構築補助金は「事業計画」などを作成して申請を行いますが、受付は「電子申請システムのみ」となります。
申請するためには、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
アカウントの取得までに2~3週間ほどかかる場合があるため、早めに登録を行いましょう。
5-1.提出書類・添付書類
事業再構築補助金は、申請したすべての事業者が採択されるわけではありません。
提出された事業計画書を基に審査が行われるため、採択を得るためには、事業内容がわかりやすく伝わるよう「客観的で合理性のある事業計画書」を作成することがとても重要です。
わかりやすい事業計画書作成のための具体的なポイントは、下記4点です。
- 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性を記載すること
- 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事など)を記載すること
- 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法を記載すること
- 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)を記載すること
申請の際に必要な添付書類は、主に下記です。
- 事業計画書(最大15ページ、補助金額1,500万円以下の場合は10ページ以内)
- 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
- コロナ以前に比べて売上高または付加価値額が減少したことを示す書類
※コロナ以前とコロナ以降の両方が必要 - 決算書(貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 労働者名簿の写し
など
詳しくはこちらをご参照いただくか、補助金活用支援合同会社へご相談ください。
申請前に、書類に不備や不足がないことを必ず確認しましょう。
参照:事業再構築補助金 電子申請にあたってご注意いただくこと
5-2.申請の流れ
事業再構築補助金の申請から確定までは、おおまかに下記の流れで進みます。
- 申請準備
- 申請(電子申請)
- 審査
- 審査結果の通知、公表
- 補助金の交付申請
- 補助事業実施期間(12か月~14か月)
- 補助金の請求・支払い
- フォローアップ
6.事業の再構築には事業再構築補助金を!ご相談は補助金活用支援合同会社へ!
新型コロナウィルスの感染拡大により、さまざまなことに変化が求められる時代となりました。
人々の行動も大きく変わり、業績が厳しくなってしまった事業者も多いでしょう。
しかし、新ビジネスへの挑戦や、新しい商品・製品を生み出すチャンスにもなったといえるのではないでしょうか。
そんなポストコロナ時代の新しいチャレンジに、事業再構築補助金を活用してみてください。
どうすればよいか悩んでいる方は、補助金活用支援合同会社へのご相談を、ぜひご検討ください。
事業再構築補助金をはじめ、さまざまな補助金に精通したプロがサポートいたします。
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