出社せずとも仕事ができ、場所や時間にとらわれない働き方ができるテレワーク。
これからのウィズコロナ・アフターコロナ時代に向けて、テレワークをさらに定着させたいと考えている企業は少なくありません。
また「育児や家族の介護などでフルタイム勤務は難しいもののテレワークでなら就労可能」という人材をうまく活用したいと考えている企業もあります。
しかし、テレワーク導入にそこまでコストをかけられない、という現状に悩む担当者も多いのではないでしょうか。
そんな時にぜひ活用したいのが「テレワーク促進助成金」です。
本記事では、テレワーク促進助成金についてわかりやすく解説します。
目次
1.テレワーク促進助成金とは?
テレワーク促進助成金とは、コロナ禍で感染予防として始まったテレワークをさらに定着させるための制度です。
都内の中堅・中小企業などに対し、テレワーク環境を整備する情報通信機器などの導入にかかる経費を助成します。
テレワークを導入することは、感染症の拡大防止対策の1つとして有効とされています。
また、在宅で働きたい人材を活用できるほか、フレキシブルな働き方が可能となり、企業と従業員の双方にメリットがあることが魅力です。
テレワーク促進助成金では、令和4年度から、非正規社員を対象にテレワーク環境を構築する「非正規社員拡充コース」が新設されました。
一般コースと非正規社員拡充コースはどちらかしか申請できないため、自社に適したコースを選択しましょう。
受付期間は、令和4年5月9日(月)~令和5年1月31日(火)です。
それでは、それぞれのコースについて見ていきましょう。
1-1.一般コース
一般コースでは、都内にある事業所に所属する常時雇用の従業員を対象に、在宅ワークやモバイルワークができるよう、テレワーク機器・ソフトウェアなどのテレワーク環境整備に係る経費の助成金が支給されます。
モバイルワークとは、場所や時間に関係なく仕事を行える労働形態のこと。
会社や家の近所のカフェ、フレキシブルオフィスなどでも仕事ができるので、業務の効率化が図れます。
1-2.非正規社員拡充コース
令和4年度から新設された非正規社員拡充コースでは、都内にある事業所に所属する非正規社員に対し、テレワーク拡充にともなうテレワーク環境整備に係る経費の助成金が支給されます。
ただし、非正規社員拡充コースでは、東京都が実施するテレワーク課題解決コンサルティングを受け「テレワーク導入提案書」を取得しなければ支給条件を満たせません。
テレワーク課題解決コンサルティングは、テレワークの専門コンサルタントが来社し、テレワーク運用時における課題を解決するための支援などを無料で受けられる内容になっています。
2.テレワーク促進助成金の助成額・助成率
助成額、助成率は、事業所の規模(常時雇用している従業員数)によって変わります。
●事業所の規模が30人以上999人以下の企業
助成金額:最大250万円
助成率:1/2
●事業所の規模が2人以上30人未満の企業
助成金額:最大150万円
助成率:2/3
3.テレワーク促進助成金の対象事業者
テレワーク促進助成金の対象となる事業主は、下記の通りです。
●都が実施する「テレワーク東京ルール実践企業宣言制度」に登録している企業
●実績報告時までに「テレワーク推進リーダー設置」表示のある宣言書がウェブサイト上で発行されている企業
上記以外にもさまざまな要件があります。
詳しくは、募集要項をご確認ください。
実績報告の提出は、支給決定日から5か月以内です。
「テレワーク東京ルール実践企業宣言制度」の登録手続きは、時間を要する場合があるため、早めに手続きを行いましょう。
また、テレワークに関するほかの助成金または補助金を受給もしくは受給予定の企業は、「テレワーク促進助成金」の申請はできません。
ただし、拡充にかかる部分のみであれば、申請が可能です。
自社が申請可能かどうか知りたい場合は、補助金活用支援合同会社へお気軽にご相談ください。
4.テレワーク促進助成金の対象経費
テレワーク促進助成金の対象となるのは、テレワーク導入に必要な機器やソフトウェアなどの経費です。
助成対象となるためには、助成事業の実施期間内(支給決定日から4か月以内)にテレワーク環境を整備し、対象社員にテレワーク勤務を6回以上実施させる必要があります。
実施回数が6回に満たない場合は、減額対象となるのでご注意ください。
また、「一般コース」「非正規社員拡充コース」いずれのコースも、下記事項に当てはまる経費が助成対象となります。
- 必要最小限の経費のうち、実績報告時までに助成対象事業者名義で支払いを終えた経費
- 原則として口座振込である経費
- 使途、単価、規模などの確認ができる経費
- 他の事業の経費と明確に区分できる経費
- 財産取得となる場合は、所有権が助成事業者に帰属する経費
上記をふまえ、対象経費となる詳しい項目を見ていきましょう。
4-1.対象経費
テレワーク促進助成金の対象経費となるのは、下記です。
- パソコン、タブレット、スマートフォン、周辺機器・アクセサリなどの物品購入費
※税込単価1,000円以上10万円未満に限る - 財務会計ソフト、CADソフトなどの業務ソフトウェア購入費
※単価10万円(税込)以上のソフトウェアのみが対象 - システム機器などの設置・設定費用
- システム機器の保守委託などの業務委託料
- 研修費用・研修時テキスト費用などシステム導入時の運用サポート費
- 機器リース料、レンタル料
- ソフトウェア利用にかかるライセンス使用料
非正規社員拡充コースの場合は、上記に加えて「テレワーク環境を構築する際のネットワーク回線工事費など」も対象となります。
ただし、助成対象となるのは、テレワーク課題解決コンサルティングで提示される「テレワーク導入提案書」に記載がある場合のみです。
4-2.対象外経費
以下に該当する経費は、テレワーク促進助成金の助成対象外となります。
- 助成対象経費に記載のない経費
- 助成事業に関係のないもの(物品の購入、業務委託など)
- 使途、単価、規模などの確認が不可能なもの
- 支給決定日より前に開始した事業に係るもの
- 支給申請時に事業が完了しているもの
- 消費税・振込手数料・収入印紙代・事務手数料・旅費・光熱水費・送料など
- 通信費
など
この他の対象外経費については、こちらをご参照ください。
5.テレワーク促進助成金の申請から受給までの流れ
テレワーク促進助成金の支給申請は、下記1~7の流れで進みます。
下線部分は、申請企業が実施する項目です。
- 事業計画書兼支給申請書類の作成・提出
- 審査・支給決定通知
- 助成事業の実施・完了
- 実績報告書類の作成・提出
- 審査・助成額の確定通知
- 助成金請求書兼口座振替依頼書を提出
- 助成金の振り込み
6.テレワーク促進助成金の申請書類の提出方法について
テレワーク促進助成金は、どちらのコースも「郵送」での申請が可能ですが、一般コースの場合は「電子申請」での申請も可能です。
来所による持参提出は一切受け付けていないので、注意しましょう。
郵送での申請書類の提出先は、下記の通りです。
〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階
公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 職場環境整備担当係 あて
募集要項
●一般コース
郵送:令和4年度 テレワーク促進助成金<一般コース> 募集要項(郵送の手引き)
電子申請:令和4年度 テレワーク促進助成金<一般コース> 募集要項(電子申請の手引き)
●非正規社員拡充コース
郵送:令和4年度 テレワーク促進助成金<非正規社員拡充コース> 募集要項(郵送の手引き)
6-1.一般コース
一般コースの場合、「郵送」もしくは電子申請「Jグランツ」での申請となります。
Jグランツは、24時間365日手続きが可能なデジタル庁運営の電子申請システムです。
Jグランツで申請の際は、最初に「GビズID」のアカウント取得が必要です。
ID発行までには2~3週間ほど時間を要する場合があるため、早めに登録を行いましょう。
一般コースで必要な提出書類は、郵送、電子申請、どちらの申請方法でも同じです。
ただし、記入方法などが一部異なるため、必ず募集要項を確認するようにしてください。
申請の際に必要な書類は、下記です。
- 事業計画書兼支給申請書
- 事業所一覧
- 誓約書
- 雇用保険被保険者資格取得などの確認通知書(※労働者2名分)
- 就業規則
- 会社案内
- 商業・法人登記簿謄本
- 水道光熱費の請求書または領収書、賃貸借契約書など
- 法人都民税および法人事業税の納税証明書
- テレワーク環境構築図
- 見積書
- 導入製品などの資料
- 委任状(代行申請の場合のみ)
個人事業主の場合は、上記書類に加えて下記書類を準備してください。
- 個人事業の開業・廃業などの届出書
- 住民票記載事項証明書
- 個人都民税(居住地分・事業所地分)および個人事業税の納税証明書
必要な書類は、こちらからダウンロードできます。
6-2.非正規社員拡充コース
非正規社員拡充コースの申請は、郵送のみです。
上記に記載した住所へ、必要書類を郵送して申請しましょう。
非正規社員拡充コース申請の際に必要な書類は、下記です。
- 事業計画書兼支給申請書
- 事業所一覧
- 誓約書
- 雇用保険被保険者資格取得などの確認通知書(※労働者2名分)
- 就業規則
- 会社案内
- 商業・法人登記簿謄本
- 水道光熱費の請求書または領収書、賃貸借契約書など
- 法人都民税および法人事業税の納税証明書
- テレワーク環境構築図
- 見積書
- 導入製品などの資料
- 非正規社員の労働契約書(※非正規社員1名分)
- 委任状(代行申請の場合のみ)
個人事業主の場合は、上記書類に加えて下記書類を準備してください。
- 個人事業の開業・廃業などの届出書
- 住民票記載事項証明書
- 個人都民税(居住地分・事業所地分)および個人事業税の納税証明書
必要な書類は、こちらからダウンロードできます。
7. テレワークを導入するならテレワーク促進助成金を活用しよう!
東京都は、コロナウィルスの感染を抑制しながらも経済活動を維持していく目的で、都内の企業に対しテレワークを推進しています。
テレワークは柔軟な働き方を可能にし、通勤時間も軽減できるなど従業員の負担が少なくなるほか、さまざまな人材を活用でき企業の活性化につながるなど、メリットも多いのではないでしょうか。
在宅ワークやモバイルワークを検討している企業は、テレワーク促進助成金の活用をぜひ検討してみてください。
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