【補助金の申請】併用はできる?複数申請は?事例も紹介!

補助金の併用はできる?同時申請は可能?

申請したい補助金がいくつかある場合には「併用はできるのか?」「同時申請はできるのだろうか?」など、さまざまなお悩みが浮かぶと思います。
補助金を併用することができれば補助の上限額も広がり、充実した補助を受けることで事業の幅もふくらむ可能性が大きいですよね。

そこで、この記事では、気になる方も多い「補助金の併用」について解説していきます。
併用できる場合とできない場合があるので、ここでチェックして補助金を最大限活用していきましょう。

1.補助金の基礎知識

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/24720756

「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」など、補助金にはさまざまな種類があります。

企業の活性化を促し新規事業にもチャレンジしていきたい、もっと企業を大きくしたい。
そのように前向きに事業経営を考える経営者の方にとっては、補助金の活用はいろいろな可能性や選択肢が広がるチャンスと捉える方も多いのではないでしょうか。

そんな補助金について、まずは基礎知識をここでおさらいしていきましょう。

1-1.補助金の特徴

補助金は、国(経済産業省)や自治体などが、中小企業者や小規模事業者、個人事業主を含む起業予定の方を対象とし、施策達成を支援するための制度です。

金融機関などの融資とは違い、原則、返済義務はありませんが、補助金は申請した事業を実行した後に交付となることが特徴です。
そのため、実際の事業資金についてはあらかじめ自身で用意しておく必要があります。

1-2.一般的な補助金支払いまでの流れをおさらい!補助事業期間とは?

補助金には「補助事業期間」が設定されており、その間に発生した経費のみが受給の対象となります。
補助事業期間とは、交付決定日から実績報告までの「実際に事業を行う補助事業の実施期間」のことです。

ここで、補助金の支払いまでの流れをおさらいしておきましょう。

■ 補助金支払い(受給)までの流れ ■

  1. 採択
  2. 交付申請
  3. 交付決定
  4. 事業開始 【補助事業期間】
  5. 実績報告
  6. 確定検査・補助額の確定
  7. 請求
  8. 補助金の支払い(受給)

上記の「4.事業開始」から「5.実績報告」までの、実際に事業を行った期間が補助事業期間にあたります。

補助事業の実施期間は補助金により異なり、代表的な補助金の実施期間は以下の通りです。

  • 小規模事業者持続化補助金:交付決定日から約7か月程度
  • 事業再構築補助金:交付決定日から12か月以内(グリーン成長枠のみ14か月以内
  • IT導入補助金:交付決定日から約7か月程度
  • ものづくり補助金: 交付決定後から最大10か月間(グローバル展開型は最大12か月間

原則として、補助事業期間内に「見積り」「契約」「発注」「納品」「支払い」などのすべての工程を行う必要があります。
いづれか一つでも補助事業期間外に実施された場合は補助対象外となってしまうため、注意が必要です。

2.補助金の併用はできる場合とできない場合がある

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/25017897

さて、複数の補助金を併用することはできるのでしょうか?

補助金は、対象となる経費が異なる事業での使用であれば、併用が可能です。
たとえば、新しい生産設備1台を購入するために、2つの補助金を受給することはできません。
同一事業の同一経費に対する使用ではなく、異なる事業や異なる費目など「ほかの補助金と対象経費が明確に区分できるもの」であれば、複数の補助金を併用できる可能性は高いということです。
ただし、異なる事業であっても、審査を通過しなければ採択を受けることはできず、確実に複数の補助金の交付を受けられるわけではないことは心に留めておきましょう。

また、併用したい補助金がある場合、どの経費に対しどの補助金を申請すれば最も補助上限額が高くなるかを、それぞれの補助金の公募要領や公式サイトをよく確認するようにしましょう。
公募要領などを見ても判断が難しい場合は、補助金活用支援合同会社にご相談ください

ちなみに、補助金の併用について、各補助金では以下のように規程しています。

◎事業再構築補助金

Q. ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は可能か。
A. 内容が異なる別の事業であれば、同じ事業者が異なる補助金を受けることは可能です。ただし、同一事業で複数の国の補助金を受けることはできません。

引用元:事業再構築補助金 よくあるご質問

◎IT導入補助金

Q. 国の他の助成金・補助金との併用が可能ですか。
A. 国の他の助成金・補助金との併用は不可です。ただし、補助対象となる事業内容(サービス・ソフトウェア、経費等)が重複しない場合は申請が可能です

引用元:IT導入補助金 よくあるご質問

2-1.併用できる場合の事例

では、複数の補助金を併用できるのはどういう場合なのか、いくつかの事例でみていきましょう。

■事例その1 食品メーカーA

課題:食品のロスが多く自社の利益や環境への配慮の観点からも改善したい
事業計画:SDGsを目指し食品ロスを無くすべく、EC事業での新規分野展開に挑む

下記の補助金の併用で新規事業の立ち上げを検討

  • EC事業の立ち上げに係る設備・商品開発・販促費 ⇒ 事業再構築補助金
  • EC事業で使用する設備や商品開発にかかる費用 ⇒ ものづくり補助金
  • EC事業の広告宣伝費 ⇒ 小規模事業者持続化補助金

■事例その2 飲食店事業者B

課題:コロナ禍で売上が減少しており経営を立ち直すためにも新規事業を始めたい
事業計画:新たに飲食店専門の居抜き物件サイトを紹介する不動産事業と小売事業で新規分野展開に挑む

下記の補助金の併用で新規事業の立ち上げを検討

  • 不動産事業の立ち上げ ⇒ 事業再構築補助金
  • 小売事業でECサイトを構築 ⇒ IT導入補助金

複数の補助金を活用したい場合は、補助金活用支援合同会社にご相談ください。

補助金の併用を考える際に頻出するのが、「事業再構築補助金」ではないでしょうか。

補助金の併用とは少し違いますが、ここで事例を1つ、ご紹介します。

事業再構築補助金で、建設業者が太陽光発電で採択された事例です。
「脱炭素社会を家庭から実現するため新築の住居に太陽光発電を導入する」という新規事業での申請で、不労所得に近くなる「太陽光」というワードを強調するのではなく「クリーンエネルギー、脱炭素」という趣旨を強調することで採択されました。

補助金は、併用するだけでなく、「どのような目的でどのような事業計画書を書いて、どの補助金に申請するのか」という点も重要であるといえます。

2-2.併用できない場合の事例

同一事業で対象費目も同じ場合、基本的に補助金の併用はできません。

3.重複受給だと判断された場合はどうなる?

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/24839629

同一経費に対して複数の補助金を受給することを、「重複受給」といいます。
採択を受け交付された複数の補助金が重複受給だと判断された場合、その対象額の返還を求められることがあります。
そのようなことがないよう、重複受給でないかどうかは申請前にしっかり確認しておきましょう。

4.同一事業の場合でも複数の補助金に「申請」はできる

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/25155704

同一事業で、複数の補助金に「申請」することは認められており、申請個数に制限もありません。
ただし、同一年度内において、まだ補助金を受給していない事業に限ります。

また、「申請」自体は可能ですが、複数の補助金を同時に受給することは認められない場合もあるため、複数の補助金で採択された場合には、どれを活用するのか取捨選択する必要が出てきます。

たとえば、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金においては、申請する回数に上限や制限は設けられていません。
同一年度内で受給できるのは1回のみで、複数回の申請を行うことはできませんが、年度が変われば、何度でも申請および活用することが可能です。

ただし、過去に採択され交付を受けたことがある場合は、申請しても減点対象となり受給できない可能性もあるため、注意が必要です。

5.クラウドファンディングと補助金の併用が効果的なケースもある

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/2432803

クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家から資金のサポートを受けられる制度のこと。

実は、補助金の中でも事業再構築補助金はクラウドファンディングとの相性がとてもよく、併用することで事業計画がとても効果的になる場合があります。

クラウドファンディングにもいくつか種類がありますが、事業再構築補助金は特に「購入型クラウドファンディング」との相性がよいのが特徴です。
「購入型クラウドファンディング」とは、出資者が出資のリターンとして新商品を受け取る方式のこと。
出資が集まらなかった場合には需要が少ないということがわかり、反対に出資が多く集まった場合には需要が高い商品であるということがわかります。
クラウドファンディングを行うことで、商品に対する事前マーケティングを行えると同時に販路拡大につなげることも可能なのです。

一方の事業再構築補助金では、審査を行う際に直近の財務状況も重要視される傾向にあります。
出資型であるクラウドファンディングは、負債ではなく純資産で計上されることから、財務の健全性が高いことをアピールすることができ、採択率を上げることにつながるのです。

6.補助金の併用で最もメリットが大きい選択を!取捨選択は「補助金活用支援合同会社」にお任せ!

参照元:https://www.photo-ac.com/main/detail/25160252

補助金は、同一事業の同一経費でなければ併用できるケースが多くなっています。
重複受給には気をつけ、クラウドファンディングなどの併用も視野に入れつつ、自社にとって最適な方法を探してみましょう。

補助金の活用や併用、申請サポート、採択後の取捨選択などは、補助金活用支援合同会社にぜひお任せください。
人と人とのつながりを大切に、身近にいる相談相手としてあなたのお力になれれば幸いです。
貴社にとって最もメリットが大きくなるよう尽力しますので、いつでもお気軽にご連絡ください。

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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に補助金活用支援合同会社を設立し独立。