新型コロナウイルス感染症の蔓延・拡大がとどまるところを知らない現状で、先が見えず不安を抱えている中小事業者は少なくないのではないでしょうか。
アクリル板や換気設備の設置、アルコール消毒など消耗品の継続的な購入など、感染予防の取り組みへの費用面で頭を悩ませている方も多いでしょう。
東京都では、感染対策の取り組みを行う事業者に向けて、助成金を交付しています。
それが「感染症対策サポート助成事業」です。
本記事では、感染症対策サポート助成事業でどんな支援を受けられるのか、詳しく解説します。
令和5年1月31日(火)まで申請受付が延長されました!!
目次
1.感染症対策サポート助成事業とは?
東京都では、令和2年度より、中小企業が行う感染防止ガイドラインに沿った感染防止対策の取り組みに対し、支援事業を実施してきました。
これが「感染症対策サポート助成事業」です。
令和4年1月より、これまでの事業がリニューアルされ、下記2コースでの実施となりました。
- 備品購入、内装・設備工事コース
- 消耗品購入コース
リニューアル前の「感染症対策サポート助成事業」に申請し支援を受けた場合でも、令和4年1月以降に実施した新たな取り組みに対しては、再度申請することができます。
また、申請する内容が同一経費でなければ、各コースでそれぞれ申請が可能です。
ただし、申請するコースによって対象となる取り組みや対象者、対象経費、助成限度額などが異なります。
せっかく準備をして申請しても、申請内容と申請コースが一致しない場合、不採択となってしまう可能性があります。
希望する申請内容はどのコースで申請する方がよいのか、前もって必ず確認するようにしましょう。
基本的に、どのコースでも複数の事業者での共同申請はできず、単独申請のみです。
例外として、消耗品購入コースの「一般枠」のみ、ある申請要件を満たせば共同申請が可能です。
詳しくは、「一般枠」の助成対象者をご覧ください。
それでは、それぞれのコースについて見ていきましょう。
2.備品購入、内装・設備工事コース
備品購入、内装・設備工事コースは、10万円(税抜)以上の備品を購入したい場合や、内装・設備工事をしたい場合に申請するコースです。
2-1.備品購入、内装・設備工事コースの助成対象者
備品購入、内装・設備工事コースの助成対象となるのは、下記の業者や法人です。
- 都内にある中小企業者(会社および個人事業者)
- 一般社団法人
- 一般財団法人
- NPO法人などの特定非営利活動法人
- 中小企業団体など
業種としては、製造業、情報通信業、建設業、運輸業、卸売業、サービス業、小売業、飲食業などが該当します。
詳しくはこちらをご参照ください。
対象外となるのは、主に下記の法人や組合です。
- 医療法人
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 商工会
- 商工会連合会
- 商工会議所
- 公益財団法人
- 公益社団法人
- 商店街振興組合
- 宗教法人
2-2.備品購入、内装・設備工事コースの対象経費
備品購入、内装・設備工事コースの対象となるのは、新型コロナウイルス感染症対策に直接関係する備品購入費、または内装・設備工事費に係る経費です。
1点あたりの購入単価が、10万円(税抜)以上のものが対象となります。
備品購入、内装・設備工事コースの取り組み例としては、下記のようなものがあります。
備品購入のみ
下記のような商品の購入が、対象となります。
- 空気清浄機、サーキュレーター、CO2濃度測定器、加湿器の購入
- サーモグラフィー・サーモカメラの購入
- セルフサービス型電子決済レジの導入
内装・設備工事を含む場合
対象となる施工は、下記のような内装設備工事です。
- パーテーション、ビニールカーテン、ロールスクリーン、アクリル板設置工事
- サーモグラフィー・サーモカメラ設置工事
- 自動水洗または自動開閉トイレ設置工事
- 手動扉から自動扉へ変更する工事
換気設備の設置を含む工事の場合
- 換気扇や吸排気設備の設置工事
- 換気機能付エアコンおよび全熱交換機設置工事
- 窓、扉、網戸の設置工事
感染症対策とは直接関係のない改修やリフォーム工事は、助成対象外です。
詳しくはこちらをご参照ください。
感染拡大予防のガイドラインについては、東京都防災サイトに「事業者向け東京都感染拡大防止ガイドライン」が掲載されているので、ご確認ください。
参照:事業者向け東京都感染拡大防止ガイドライン~『新しい日常』の定着に向けて~
2-3.備品購入、内装・設備工事コースの助成率
備品購入、内装・設備工事コースの助成率は、助成対象と認められる経費の3分の2以内です。
2-4.備品購入、内装・設備工事コースの助成限度額
備品購入、内装・設備工事コースの助成限度額は、1店舗(事業所)ごとに適用され、最大200万円です。
こちらのコースでは、実施する取り組み内容によって助成限度額が大きく変わります。
●備品購入のみ:上限50万円
●換気設備の設置がない工事の場合:上限100万円
●換気設備の設置を含む工事の場合:上限200万円
200万円の助成金が交付されるのは、換気設備の設置を含む工事を行った場合のみです。
たとえば、600万円の換気設備を含む内装施工を行った場合、助成率の3分の2をかけると400万円ですが、助成支給額は限度額上限の200万円となり、残りの200万円は自己負担となります。
(600万円 × 助成率3分の2 = 400万円 ※助成限度額が200万円なので、残りの200万円は自己負担)
また、申請下限額は10万円なので、申請するには対象経費の合計として15万円(税抜)以上が必要です。
12万円(税抜)の備品購入の場合、助成率3分の2をかけると8万円(税抜)となり、申請下限額10万円を下回るため申請できません。
(12万円 × 助成率3分の2 = 8万円 ※申請下限額の10万円以下となり、申請不可)
募集要項にはフローチャートも掲載されているので、参考にしてみてください。
参照:感染症対策サポート助成事業(備品購入、内装・設備工事コース)【募集要項】
自社が実施しようとしている取り組み内容がどの上限額に該当するのか、よく確認するようにしましょう。
2-5.備品購入、内装・設備工事コースの助成対象期間
備品購入、内装・設備工事コースの助成対象期間は、令和4年1月1日(土)から令和5年1月31日(火)までです。
ただし、令和5年1月末までに支払いまで終えている必要がある点にご注意ください。
3.消耗品購入コース
消耗品購入コースは、10万円(税抜)未満の消耗品を購入したい場合に申請するコースで、下記2つの枠に分かれています。
- 一般枠
- コロナ対策リーダー、認証店枠
両方の枠に申請することはできないため、どちらかを選択して申請するようにしましょう。
ここからはそれぞれの枠について、詳しく解説していきます。
3-1.消耗品購入コースの助成対象者
消耗品購入コースは、「一般枠」と「コロナ対策リーダー、認証店枠」とで助成対象が異なります。
3-1-1.一般枠の場合
一般枠の助成対象は、下記の業者や法人です。
- 都内にある中小企業者(会社および個人事業者)
- 一般社団法人
- 一般財団法人
- NPO法人などの特定非営利活動法人
- 中小企業団体など
業種としては、製造業、情報通信業、建設業、運輸業、卸売業、サービス業、小売業、飲食業などが該当します。
詳しくはこちらをご参照ください。
一般枠も基本的には単独申請ですが、以下の場合のみ共同申請が可能です。
共同申請の場合の助成限度額は30万円で、助成率は3分の2以内です。
詳しい申請要件については、募集要項をご参照いただくか、事務局にお問い合わせください。
また、何かご不明点がある場合は、補助金活用支援合同会社へお気軽にご相談ください。
対象外となるのは、主に下記の法人や組合です。
- 医療法人
- 社会福祉法人
- 学校法人
- 商工会
- 商工会連合会
- 商工会議所
- 公益財団法人
- 公益社団法人
- 商店街振興組合
- 宗教法人
3-1-2.コロナ対策リーダー・認証店枠の場合
コロナ対策リーダー・認証店枠では、飲食店の営業許可証を有する店舗であることが必須要件です。
そのうえで、コロナ対策リーダーを配置している都内の店舗、または感染防止徹底点検済証の交付を受けている店舗を運営する、以下の中小事業者などが助成対象となります。
- 中小企業者(会社および個人事業主)
- 一般財団法人
- 一般社団法人
- NPO法人などの特定非営利活動法人
コロナ対策リーダーとは、店舗の店長やマネジャーなどの責任者で、「コロナ対策リーダー」に選任された人のことです。
コロナ対策リーダーになるには、東京iCDC監修のe-ラーニング研修を受講する必要があります。
コロナ対策リーダーを配置することで、店舗を利用するお客様への安心の提供と感染拡大防止に繋がるだけでなく、助成金の支援を受けることもできるようになるため、積極的に取り組むことをおすすめします。
3-2.消耗品購入コースの対象経費
消耗品購入コースの対象経費は、感染予防対策に係る消耗品で1点あたりの購入単価が10万円(税抜)未満のものです。
新型コロナウイルス感染症対策に取り組むために直接関係するもので、市販品のみが対象となります。
1点あたりの購入単価が10万円(税抜)を超える場合は、「備品購入、内装・設備工事コース」で申請するようにしましょう。
主な助成対象経費の具体例には、下記のようなものがあります。
消耗品購入コースの助成対象経費
- 消毒液
- マスク
- フェイスシールド
- ゴーグル
- 使い捨て手袋
- アクリル板
- 透明ビニールシート
- パーテーション
- コイントレー
- サーモカメラ
- サーモグラフィー
など
他にも、対象経費となるアイテムはたくさんあります。
購入を検討しているアイテムが対象経費となるかどうかは、募集要項を確認してみましょう。
感染症対策に分類されない経費や、コロナ対策リーダーが配置されていない店舗、感染防止徹底点検済証の交付を受けていない店舗(「コロナ対策リーダー、認証店枠」での申請の場合)での取り組みに対しては、助成対象経費であっても助成対象にはなりません。
対象外経費については、詳しくはこちらをご参照ください。
3-3.消耗品購入コースの助成率
消耗品購入コースの助成率は、「一般枠」と「コロナ対策リーダー・認証店枠」で異なります。
3-3-1.一般枠の場合
一般枠の助成率は、助成対象と認められる経費の3分の2以内です。
3-3-2.コロナ対策リーダー・認証店枠の場合
コロナ対策リーダー・認証店枠の助成率は、助成対象と認められる経費の5分の4以内です。
3-4.消耗品購入コースの助成限度額
消耗品購入コースの助成限度額は「一般枠」と「コロナ対策リーダー・認証店枠」どちらでも10万円と同額ですが、補助率や申請可能回数に違いがあります。
3-4-1.一般枠の場合
一般枠では、都内の事業所に限り、1事業所あたり10万円を上限に助成金が支給されます。
助成対象となる経費が15万円だった場合、助成金は10万円で、自己負担金が5万円となります。
(15万円 × 助成率3分の2 = 10万円 ※助成限度額が10万円で、5万円は自己負担)
申請する経費が30万円だった場合は、助成率の3分の2をかけると20万円となり、限度額の10万円を超えてしまいます。
この場合、助成されるのは10万円までで、残りの20万円は自己負担となります。
(30万円 × 助成率3分の2 = 20万円 ※助成限度額が10万円で、20万円は自己負担)
下限額の設定はありませんが、1事業者1採択となるため、複数の事業所分を申請したい場合は、まとめて申請するようにしましょう。
3-4-2.コロナ対策リーダー・認証店枠の場合
コロナ対策リーダー・認証店枠の助成限度額は、1店舗あたり10万円を上限に助成金が支給されます。
ただし、申請できるのは、都内のコロナ対策リーダー配置店舗、または認証店に限ります。
一般枠と同様、申請する際に下限額の設定はありません。
助成対象となる経費が20万円だった場合、助成金は10万円、自己負担金が10万円となります。
(20万円 × 助成率5分の4 = 16万円 ※助成限度額が10万円で、10万円は自己負担)
一般枠は1事業所1採択のみでしたが、コロナ対策リーダー・認証店枠では、申請店舗が異なる場合は1事業者で複数回の申請が可能です。
ただし、同一店舗への助成は1回のみとなります。
コロナ対策リーダーが変更になった場合でも、再申請はできません。
参照:感染症対策サポート助成事業(消耗品購入コース)【募集要項】
3-5.消耗品購入コースの助成対象期間
消耗品購入コースの助成対象期間は、令和4年1月1日(土)から令和5年1月31日(火)までです。
令和5年1月末までに、購入から支払いまでを終えている必要がある点にご注意ください。
4.感染症対策サポート助成事業の申請受付期間
感染症対策サポート助成事業の申請受付期間は、「郵送」「電子申請」それぞれ下記の通りです。
申請受付期間の締切は、当初は6月30日(木)まででしたが、1月31日(火)まで延長されました。
郵送の場合
令和4年1月4日(火)から令和5年1月31日(火) ※当日消印有効
電子申請の場合
令和4年1月21日(金)から令和5年1月31日(火)23時59分まで
5.感染症対策サポート助成事業の申請方法
感染症対策サポート助成事業の申請は、「郵送」または「電子申請」です。
電子申請での申請の際は、「備品購入、内装・設備工事コース」「消耗品購入コース」どちらのコースでも、デジタル庁が提供している「Jグランツ」での申請となります。
申請するコースによって、JグランツのURLが異なるため注意が必要です。
Jグランツを利用するには「GビズID」で、gBizIDプライムというアカウントを取得する必要があります。
gBizIDプライムのアカウント取得には2週間ほど時間を要する場合があるため、早めの登録がおすすめです。
申請に必要な書類
申請に必要な書類は、「備品購入、内装・設備工事コース」「消耗品購入コース」で異なりますので、それぞれの募集要項をご確認ください。
【募集要項】
・感染症対策サポート助成事業(備品購入、内装・設備工事コース)【募集要項】
・感染症対策サポート助成事業(消耗品購入コース)【募集要項】
申請書に不備があると、申請書類が受理されない可能性があります。
提出する前によく確認するようにしましょう。
ここからは、それぞれのコースでの申請から交付までの流れや、郵送先について解説します。
5-1.備品購入、内装・設備工事コースの場合
備品購入、内装・設備工事コースの申請から助成金の交付までは、おおまかに下記のような流れで進みます。
下線部分は、申請事業者が実施する項目です。
- 交付申請
- 書類審査
- 交付決定(助成となる経費の決定)
※交付決定通知書に記載の金額は、助成の対象とできる上限額を決定したものであり、事業完了後の最終的な助成金交付額(支払額)を決定・保証するものではありません。 - 取り組み実施
- 実施報告(対象経費の支払い完了報告)
- 完了検査
- 助成金額の確定
- 助成金の請求
- 助成金の交付
5-1-1.郵送での提出方法
備品購入、内装・設備工事コースの助成金を郵送で申請する場合は、申請書を取得後、申請書の作成・必要書類の準備をし、レターパックなど記録が残る方法で以下の送付先に郵送してください。
〒330-9890
埼玉県さいたま市桜区町谷1-2-24 さいたま新都心郵便局私書箱150号
感染症対策サポート助成事業 事務局(備品購入、内装・設備工事コース) 宛
<申請書在中>
5-1-2.電子申請での提出方法
備品購入、内装・設備工事コースの助成金を電子申請で行う場合は、gBizIDプライムのアカウントを取得後、申請書を取得、申請書の作成・必要書類の準備をし、Jグランツで書類をアップロードしてください。
備品購入、内装・設備工事コースでのJグランツの申請先URLは、下記です。
Jグランツ:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W2x000005j4lQEAQ
5-2.消耗品購入コースの場合
消耗品購入コースの申請から助成金の交付までは、おおまかに下記のような流れで進みます。
下線部分は、申請事業者が実施する項目です。
- 感染症防止徹底点検済証の受領・コロナ対策リーダーの研修修了(※「コロナ対策リーダー・認証店枠」で申請する場合のみ、この項目を実施)
- 助成対象消耗品の購入・対策実施(「一般枠」はこの項目からスタート)
- 助成金交付申請書類・領収書などの提出
- 申請書類の受理
- 申請内容の審査
- 審査結果の通知
- 助成金の交付
5-2-1.郵送での提出方法
消耗品購入コースの助成金を郵送で申請する場合は、申請書を取得後、申請書の作成・必要書類の準備をし、レターパックなど記録が残る方法で以下の送付先に郵送してください。
【送付先】
〒330-9890
埼玉県さいたま市桜区町谷1-2-24 さいたま新都心郵便局私書箱150号
感染症対策サポート助成事業 事務局(消耗品購入コース 一般枠) 宛
<申請書在中>
【送付先】
〒330-9890
埼玉県さいたま市桜区町谷1-2-24 さいたま新都心郵便局私書箱150号
感染症対策サポート助成事業 事務局(消耗品購入コース コロナ対策リーダー、認証店枠)宛
<申請書在中>
5-2-2.電子申請での提出方法
消耗品購入コースの助成金を電子申請で行う場合は、gBizIDプライムのアカウントを取得後、申請書を取得、申請書の作成・必要書類の準備をし、Jグランツで書類をアップロードしてください。
消耗品購入コースでのJグランツの申請先URLは、下記です。
Jグランツ:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W2x000005j4lPEAQ
6.まだまだ続く感染症対策にリニューアルした助成金を上手に活用!
新型コロナウイルス感染症は、次々と変異を遂げ、いまだに衰えることを知りません。
飲食店や商業施設などのサービス業はもちろん、リモートワークとの併用で徐々に再開されつつあるオフィスへの出勤のことを考えても、事業所や店舗内での感染症対策はまだまだ必要です。
リニューアルした感染症対策サポート助成事業では、消毒液やマスクなどの日常的に使用する消耗品から、サーモカメラや換気機能付エアコン、パーテーション施工まで幅広いアイテムが助成対象となっています。
交付される助成金を上手に活用して、従業員やお客様の安全を確保しましょう。
補助金活用支援合同会社では、申請方法や必要書類についての不明点など、プロが全力でサポートいたします。
ぜひ、お気軽にご相談ください!
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