【2022年度版】小規模事業者持続化補助金の概要と申請方法とは?

2022年度の公募は終了しました。
最新記事は「【2023年度版】小規模事業者持続化補助金の改定内容から申請方法まで解説」をご覧ください。

小規模事業者持続化補助金を活用すれば、特定の取り組みに関連して発生した経費の一部を補助金として交付してもらうことができます
しかし、小規模事業者持続化補助金が気になっているものの、内容がよくわからない。
申請したいけれど、申請の方法がわからない。
そんなお悩みを抱えている方は、決して少なくありません。

そこでこの記事では、小規模事業者持続化補助金についてわかりやすく解説します。
申請方法についても紹介するので、ぜひ役立ててください。

※低感染リスク型ビジネス枠は、令和4年3月9日受付分(第6回)をもって受付は終了しています。

1.小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金は、特定の取り組みに対する経費の一部を、補助金として交付が受けられる制度のこと。
小規模事業者が対象で、作成した経営計画書や補助事業計画書が審査を経て採択された事業者のみが補助金の交付を受けられる仕組みです。
この制度は「補助金」であることから、給付金や助成金などと違い、申請すると必ず交付が受けられるわけではありません。
申請しても採択に至らず、交付を受けられない場合もあるので注意しましょう。
採択が決定した事業者は、経営計画書や補助事業計画書に沿った事業実施後に実績報告をし、確定審査を経て補助金を受け取ることができます。

小規模事業者持続化補助金で、現在申請できるのは、すべて「一般型」となっています。

令和4年第8回申請受付分から、今までの一般型を引き継ぐかたちでの「通常枠」と、「特別枠」として新たに「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」「インボイス枠」が新設されました。
また、加点措置として、「災害加点」や「事業環境変化加点」なども追加されています。

小規模事業者持続化補助金では、販路の開拓や生産性を向上させるための取り組みなどに対して補助金が支給されます。
ただし、事業が完了した後、約1年以内に売上につながると見込まれる事業活動のみが対象です。
単独での申請も可能ですが、複数の事業者が連携し共同事業として申請することもできます
共同申請の場合は、最大10の事業者までが申請可能。
1事業者あたり50万円が上限額となるため、共同申請での最大上限額は10事業者の場合で500万円となります。
この共同申請は、通常枠のみ申請可能です。

小規模事業者持続化補助金を申請できるのは、一度の申請につき、「通常枠」か「特別枠」のいずれか1つのみです。
申請する枠によって、補助金の対象となる取り組みや補助率、補助上限額も異なるため、それぞれの特徴を押さえたうえで、どの枠が最適なのか検討するようにしましょう。

どの枠に申請すればよいのかお悩みの場合は、補助金活用支援合同会社へお気軽にご相談ください。
それでは、それぞれの枠について見ていきましょう。

1-1.通常枠

通常枠では、小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓などの取り組みに対して、補助金の申請を行うことができます。

補助率は3分の2で、上限額は50万円です。

1-2.【特別枠】賃金引上げ枠

賃金引上げ枠では、販路開拓の取り組みに加え、最低賃金を地域別の最低賃金より30円以上高く設定している小規模事業者に対して補助金が交付されます。
また、申請時点において最低賃金がすでに30円以上高い事業者については、直近1か月で支給している賃金よりもさらに30円以上高く引き上げている必要があります。

補助率は3分の2で、上限額は200万円
赤字事業者の補助率は4分の3で、さらに加点による優先採択が実施されます。
赤字事業者とは、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下である事業者のことです。

1-3.【特別枠】卒業枠

卒業枠では、販路開拓の取り組みに加え、積極的に雇用を増やし事業規模拡大に意欲的な小規模事業者に対して補助金が交付されます。
小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大することが必須要件です。

補助率は3分の2で、上限額は200万円です。

1-4.【特別枠】後継者支援枠

後継者支援枠では、将来的に事業を継ぐ予定の後継ぎ候補者が、先代経営者の築き上げた人材やノウハウなどの経営資源を活かして新規事業を生み出す取り組みに対して、補助金の申請が可能です。
補助率は3分の2で、上限額は200万円

申請の際、「アトツギ甲子園(※)」のファイナリストになった事業者であることが必須要件です。
※アトツギ甲子園については、こちらをご覧ください。

1-5.【特別枠】創業枠

創業枠では、「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」による支援を受け創業した小規模事業者に対して補助金が交付されます。
補助率は3分の2で、上限額は200万円です。

創業枠は、公募締切時から起算して過去3年の間に支援を受け、かつ、開業した事業者に対しての補助枠です。
代表取締役または代表社員など、企業や組合の代表者が支援を受けることで、補助の対象となります。
個人事業主の場合は、家族などではなく事業を行っている本人が支援を受ける必要があります。
代表者以外の社員や家族が支援を受けた場合は補助対象外となりますので、注意してください。

1-6.【特別枠】インボイス枠

インボイス枠では、免税事業者からインボイス発行事業者に転換する小規模事業者に対して補助金が交付されます。
補助率は3分の2で、上限額は100万円です。

インボイス枠の申請要件は、課税期間中(令和3年9月30日〜令和5年9月30日)に一度でも免税事業を行っており、インボイス発行事業者の登録が確認できた事業者であること。
ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、交付決定後であっても補助金の交付は行われないため、注意が必要です。
インボイス制度については、国税庁特設サイトをご参照ください。

2.小規模事業者持続化補助金を申請する際の注意点

小規模事業者持続化補助金の一般型は、ウェブサイトの作成や店舗改装、商談会への参加などが対象の取り組みで、継続的に公募されている制度です。
対象となる経費は補助金の交付が決定した後に発生したもののみで、小規模事業者もしくは要件を満たす特定非営利活動法人が申請できます。

ただし、再申請を希望する際は、以下のことに注意が必要です。
小規模事業者持続化補助金の採択を一度でも受けたことのある事業者は、以前の採択から一定期間が経過していないと再申請を行うことができません。
小規模事業者持続化補助金の受付締切日の前10か月以内に、「一般型」「低感染リスク型ビジネス枠」で採択されていないことが申請の条件となります。
詳しくは、こちらをご覧ください。

また、再度申請を行いたい場合は、過去3年間の公募(「小規模事業者持続化補助金」<一般型>、<コロナ特別対応型>、<低感染リスク型ビジネス枠>)で採択を受け実施した補助事業とは異なる事業で申請する必要があります。

3.小規模事業者持続化補助金の公募締切

令和4年度の公募締切は下記の通りです。

第8回:令和4年6月3日(金)
第9回:令和4年9月20日(火)
第10回:令和4年12月上旬予定
第11回:令和5年2月下旬予定

※ただし、商工会議所の様式4(事業支援計画書)発行の受付締切は、申請締切のおおよそ1週間前になります。

参照:小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】

4.小規模事業者持続化補助金の対象経費

対象となる経費は、下記の通りです。

  • 広報費
  • 展示会等出展費
  • ウェブサイト関連費(補助対象経費総額の4分の1が上限、またウェブサイト関連費のみによる申請は不可)
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 雑役務費
  • 機械装置等費
  • 借料
  • 委託費
  • 外注費
  • 設備処分費(補助対象経費総額の2分の1が上限)

参照:令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> ガイドブック

ただし、これらの経費は以下3つの条件に当てはまっていなければ申請の対象にならないので注意が必要です。

  • 本事業の遂行に必要な経費であると明確に特定できること
  • 交付決定日以降に発生し、経費の支払いが対象期間中に完了していること
  • 支払った金額は、証拠資料などで確認できること

5.小規模事業者持続化補助金の対象者

小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、常時勤務の従業員が20人以下の会社や個人事業主です。
ただし、宿泊業や娯楽業以外のサービス業、および商業を営んでいる場合は、常時勤務の従業員が5人以下の場合のみ対象。
商工会や商工会議所の会員であるかどうかは対象条件に含まれないため、非会員であっても申請可能です。
また、認定特定非営利活動法人ではなく、且つ法人税法上の収益事業を行っている特定非営利活動法人も申請できます。

小規模事業者持続化補助金の対象外となるのは、主に下記です。

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 系統出荷による収入のみの個人農業者
  • 系統出荷による収入のみの個人の林業・水産業者
  • 企業組合と協業組合を除く、協同組合等の組合
  • 一般社団法人、公益社団法人
  • 一般財団法人、公益財団法人
  • 医療法人
  • 宗教法人
  • 学校法人
  • 農事組合法人
  • 社会福祉法人
  • 任意団体

参照:小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金を申請した時点で開業していない事業者も、申請の対象外となります。
税務署へ開業届を提出済であったとしても、開業日が申請日よりも後となる場合は対象外です。

6.小規模事業者持続化補助金の申請方法

小規模事業者持続化補助金を申請するためには、そろえなければならない書類があります。
申請に必要な書類や申請方法を、ここで確認しておきましょう。

6-1.申請のための書類

申請の際に必要書類が抜けていたり内容に不備があったりすると、不採択となってしまいます。
これを避けるために、申請前には書類に抜けや不備がないかを十分にチェックしましょう。

単独申請でも共同申請でも、「様式4(地域の商工会議所が作成・発行した事業支援計画書)」の提出が必須です。
これは商工会議所が作成するので申請者が用意する必要はありませんが、申請の際には用意しておきましょう。
様式4以外に、USBメモリやCD-Rなどの電子媒体へ記録して用意しておく必要がある書類は以下の通りです。

単独申請で必要な書類

  • 様式1-1(小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書)
  • 様式2-1(経営計画書兼補助事業計画書①)
  • 様式3-1(補助事業計画書②【経費明細表・資金調達方法】)
  • 様式5(交付申請書)

共同申請で必要な書類

  • 様式1-2(小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書)
  • 様式2-2(経営計画書)
  • 様式3-2(補助事業計画書)
  • 様式5(交付申請書)

これらの必要事項をすべて記載し、電子媒体へ保存します。
また、新設された特別枠ごとに、上記に追加して下記の書類を提出する必要があります。

希望する枠により追加で必要な書類

  • 様式7(賃金引上げ枠の申請に係る誓約書)
  • 様式8(卒業枠の申請に係る誓約書)
  • 様式9-法人用(インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書)

希望する加点により追加で必要な書類

  • 様式10(事業承継診断票)

さらに、個人か法人か非営利活動法人かによって、下記の書類が必要です。

個人の場合

  • 直近の確定申告書(第一表、第二表)
  • 収支内訳書(1・2面)または所得税青色申告決算書(1~4面)(税務署受付印のあるもの)または開業届(税務署受付印のあるもの)
  • 様式9-個人事業主用(インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書)
    ※インボイス枠に申請する際にのみ必要

法人の場合

  • 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)
  • 株主名簿

特定非営利活動法人の場合

  • 貸借対照表および活動報告書(直近1期分)
  • 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書
  • 法人税確定申告書(表紙(受付印のある用紙)および別表4(所得の簡易計算))(直近1期分)

必要な書類は、こちらからダウンロード可能です。
参照:小規模事業者持続化補助金

6-2.申請先

一般型の場合、郵送もしくは補助金申請システムであるJグランツでの申請が可能です。
Jグランツで申請する際には、「GビズIDプライムアカウント」を取得する必要があります。
直接持参しての受付はしていないので注意しましょう。
また、「郵送」「Jグランツ」どちらで申請する場合でも、商工会・商工会議所地区ごとに申請先が異なるため、どちらに申請をすればよいのか申請前によく確認するようにしてください。

電子申請の場合、下記ページから申請可能です。
商工会地区の場合
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W2x000004zkRmEAI

商工会議所地区の場合
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W2x000004zkDaEAI

郵送による申請の場合は、下記の通りです。
商工会地区の場合
所在地ごとに郵送先が異なるため、公募要領巻末の「都道府県商工会連合会地方事務局一覧」をご覧ください。

商工会議所地区の場合
〒151-8799
代々木郵便局留め
【一般型】商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局
参照:令和元年・3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> ガイドブック

7.小規模事業者持続化補助金の申請から確定までの流れ

小規模事業者持続化補助金の申請から確定までは、おおまかに下記の流れで進みます。

  1. 計画書の作成
  2. 申請
  3. 審査
  4. 採択、交付の決定
  5. 事業の実施
  6. 実績報告
  7. 確定検査、補助額の確定
  8. 請求
  9. 補助金の交付
  10. 事業効果報告

最初のステップとなる「計画書の作成」は、商工会議所と相談しながら作成することもできます。

アドバイスをもらうこともできるので、ぜひ相談してみてください。

8.小規模事業者持続化補助金の申請は補助金活用支援合同会社におまかせ!

小規模事業者持続化補助金では、最大100万円もの補助金の交付が受けられます。
計画書の作成や実績報告、事業効果報告などの手続きが必要ですが、補助金の対象となる取り組みを考えているのならばぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

小規模事業者持続化補助金の申請に時間をかけたくない場合は、補助金活用支援合同会社の「補助金申請サポート」がおすすめです。
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監修者プロフィール

補助金コンサルタント 上田 晃生

1977年生まれ神奈川県横浜市出身。
OA機器の営業から飲食業界に入り店長・統括等を経験し、経営コンサルタント会社へ転職。

2021年に補助金活用支援合同会社を設立し独立。