企業がこれからも成長を続けていくためには、投資や事業だけでなく「人材育成」も大切です。
しかし、人材の育成には多くの費用が必要となるため、なかなか手が出せていない企業もあるのではないでしょうか。
そのような場合には、補助金や助成金などの支援制度の活用がおすすめです。
今回は、企業成長のために「人材育成」を進めたいと考えている事業主の方におすすめの「研修に活用できる補助金・助成金」を3つピックアップして紹介します。
目次
1.研修に補助金・助成金を活用する前に知りたい基礎知識
補助金・助成金は、公募要領や支給要項を満たした場合に利用できる、「企業が行う取り組みにかかる経費の一部を支援する制度」です。
助成金は、支給要件を満たしていれば基本支給されますが、補助金は「補助金の実施目的に沿った事業計画であるか」などの審査が行われ、採択された場合のみ支給されます。
どちらも公的な資金を財源としているため、公募要領や支給要件だけでなく「補助金・助成金の実施目的」に沿った取り組みを行うことが大切です。
そのため、実際に補助金・助成金を活用するためには、「基礎知識」や「活用のメリット・デメリット」をしっかりと理解しなければなりません。
詳しくは「【プロから学ぶ】補助金の基礎知識│制度概要・注意点・申請方法を解説!」で紹介していますので、こちらをご覧ください。
2.研修に活用できる補助金・助成金3選!
ここからは「研修に活用できる補助金・助成金」3選を紹介します。
・【東京都】スキルアップ助成金
・【愛知県小牧市】中小企業人材育成研修費補助金
上記以外にも日本全国でさまざまな補助金や助成金が実施されています。
補助金・助成金の活用に興味のある方は、ぜひ合同会社SCSへご相談ください。
2-1.【全国】人材開発支援助成金
厚生労働省が実施する研修に活用できる助成金で、日本全国の企業を対象に実施しています。
事業主などが雇用する従業員に対して、「業務に関連する専門知識」や「技術」を取得するための研修を実施する際の経費が助成対象です。
人材開発支援助成金では、どのような研修を行うかによって申請コース・助成上限額が異なります。
コース名 | コース概要 | 助成率・助成上限額 | |
人材育成支援コース | 業務に関連する知識・技能を習得させるための訓練、OJT付き訓練の実施などを支援 | 経費助成率
・45%~75% ※実施する訓練により異なる |
賃金助成額
・800円/時間 OJT実施助成額 ・認定実習併用職業訓練 20万円 ・有期実習型訓練 10万円 |
教育訓練休暇等付与コース | 有給教育訓練などの制度を導入し、実際に休暇取得・訓練を受けた場合に支援 | 経費助成額
・30万円 |
|
人への投資促進コース | デジタル人材や高度人材を育成する訓練の実施を支援 | 経費助成率
・45%~75% ※実施する訓練により異なる |
賃金助成額
・1000円/時間 ※実施する訓練により異なる OJT実施助成額 ・20万円 ※情報技術分野認定実習併用職業訓練のみ助成 |
事業展開等リスキリング支援コース | 新規事業の立ち上げなどにより新たに必要となる知識・技能の習得訓練を支援 | 経費助成率
・中小企業 75% ・大企業 60% |
賃金助成額
・中小企業 1000円/時間 ・大企業 500円/時間 ※経費助成の限度額あり |
上記のコース以外にも、建設労働者向けの訓練実施を支援するコースや、障害者の職業訓練の継続的な実施を支援するコースがあります。
2-2.【東京都】スキルアップ助成金
公益社団法人東京しごと財団が実施する助成金です。
事業主が従業員に対して行う「業務に関連した研修」の支援・助成を行っています。
コース名 | コース概要 | 助成率・助成上限額 |
事業内スキルアップ助成金 | スキルアップのために自社で研修を企画する企業を支援 | 助成対象受講者×研修時間数×760円 |
事業外スキルアップ助成金 | スキルアップのために公開研修を利用した企業を支援 | ・小規模事業者
対象経費の2/3 ・中小企業者 対象経費の1/2 ※要件を満たすことで加算あり |
DXリスキリング助成金 | 自社のDX推進のために実施する研修を支援 | 助成対象経費の3/4
※助成上限額 75,000円/1人1研修 |
育業中スキルアップ助成金 | 育業中の研修を支援 | ・中小企業など
対象経費の2/3 ・大企業 対象経費の1/2 |
【参考│【東京しごと財団】スキルアップ支援事業(助成金一覧)】
2-3.【愛知県小牧市】中小企業人材育成研修費補助金
愛知県小牧市が独自に実施している人材育成に活用できる補助金です。
経営者や従業員が「業務に必要な技術など」を取得するために、研修制度を利用した場合に研修費用が一部助成されます。
対象者 | 補助対象事業 | 補助金額 | 補助対象経費 |
以下いずれにも該当
・小牧市内に事業所を持ち、事業を行っている中小企業者 ・市税滞納がない ・風俗営業その他業種、ギャンブルに係る業種でないこと |
小牧市が定める研修を受講する
※オンラインで研修を受講した場合は対象外 |
補助対象経費×1/2 | 補助対象事業の受講費 |
【参考│【愛知県小牧市】中小企業人材育成研修費補助金 公式サイト】
3.研修に補助金・助成金を活用するメリットは?
研修に補助金・助成金を活用することで、企業は以下のメリットを得ることができます。
・研修にかかる費用の負担が軽減できる
・研修の質を高めることで「より良い研修」が実施できる
・従業員のスキル、モチベーションの向上が期待できる
上記以外にも、補助金・助成金を活用することで得られるメリットやデメリットがあります。
詳しくは下記のページで解説していますので、ぜひご覧ください。
【合同会社SCS│【プロから学ぶ】補助金の基礎知識│制度概要・注意点・申請方法を解説!】
4.研修に活用できる補助金・助成金の注意点
得られるメリットの多い補助金・助成金ですが、申請資料の作成が難しいことやそれにともない手間と時間がかかるなどの注意点もあります。
・補助金・助成金は後払いになるためまずは全額を自己負担しなければならない
・汎用的な研修内容や一部企業に特化した研修内容は対象外となることが多い
・補助金・助成金の実施目的によって補助対象者が異なる
・補助対象となる期間や申請期間が定められている
補助金・助成金を上手に活用するためには、上記の注意点を理解する必要があります。
しかし、専門的な知識がない方や自社だけで申請を行うことが不安という方もいるのではないでしょうか。
そのような場合には「補助金コンサルタント」や「税理士」「社会保険労務士」などのプロの手を借りることをおすすめします。
合同会社SCSでも、補助金コンサルタントによる申請サポートを行っておりますので、活用を検討している方はぜひ一度ご相談ください。
5.研修に活用できる補助金・助成金の申請方法
補助金・助成金の申請には、主に「郵送」「持参」「オンライン申請」の3つの方法があり、補助金・助成金の実施団体によって申請方法が異なります。
詳しい申請方法は、各補助金・助成金の公式サイトでご確認ください。
ここでは、人材開発支援助成金を例に、助成金の申請方法について説明します。
1.職業能力開発推進者を選任し、職業能力開発計画を策定
2.職業能力開発計画を自社従業員へ周知する
3.訓練開始日の6か月前から1か月前までに「職業訓練開発計画」を労働局に提出
4.計画に基づいた訓練を実施
5.訓練終了日の翌日から2か月以内に「支給申請書」などの必要書類を労働局に提出
6.助成金支給
補助金の主な申請方法については「【プロから学ぶ】補助金の基礎知識│制度概要・注意点・申請方法を解説!」で解説しているのでご覧ください。
6.研修に補助金・助成金を活用してより効果的な人材育成を目指そう!
人材育成のための研修や訓練では、従業員のスキルアップやモチベーションの向上が期待できます。
あわせて、企業成長はもちろん、従業員の職場定着や安定した経営にもつながるでしょう。
人材育成のための研修や訓練にかかる費用は、補助金や助成金を活用して出費を抑える方法がおすすめです。
出費が抑えられれば、より質が高い人材育成をできる可能性が高まるため、補助金・助成金を上手に活用しましょう。
今回紹介した以外にも、日本全国では「研修で活用できる補助金・助成金」が数多く実施されています。
活用を考えている方は、プロに相談してみてはいかがでしょうか。
合同会社SCSでは、企業所在地や企業状況にあった補助金のご提案から申請のサポートまでを一貫して行っております。
補助金・助成金の活用に興味のある方はぜひ一度当社へお声がけください。
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